
長編
蝿
えい 3日前
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友人 「この前 引っ越したんだけどさぁ~何か変なんだよね…。」
数年振りに電話を掛けて来た友人が訝しげに言いました。
私 「何かって?」
友人 「うん。たまにさぁ~蝿がね…飛んで来るんだよね~。」
私 「生ゴミ放置してるんじゃないの?」
友人 「あんた 私が料理しないの知ってるでしょ⁉三角コーナーだって買った時のまま 綺麗なもんよ。」
私 「って…何気に自慢?」
友人 「そんな事はいいからさぁ あんたちょっとうちに来てよ。」
私 「えぇ~今から?」
友人 「うん。」
私 「うぅ~っ……最初からそのつもりで電話掛けて来たでしょ?」
友人 「分かってんなら来てよ。」
はぁ……深いタメ息が出た。
この友人に関わるとロクな事が無いので 内心嫌だったけど 仕方無く行くよと答えた。
私 「分かったよ。行くよ。けど私 あんたの家知らないんだけど…?」
友人 「大丈夫、大丈夫。」
私 「何が大丈夫なのよ?」
友人 「今 家出たから 40分くらいで着くよ。」
私 「はぁあ?迎えに来るって?」
友人 「うん。じゃっ車運転するから切るね。」
はぁ……何か会話だけで疲れた。
迎えに来るっていうから 着替えて外出の準備をして 食器類を片付けた。
それから 暫くすると 家の前に車が停まる音がして 私は玄関へと向かっていたら チャイムが鳴った。
(はいはい)と心で返事をしながら ドアを開けると 満面な笑顔で「悪いねっ」と言った。
(悪いとは思ってないだろうがっ‼)と心でツッコミながら ドアに鍵を掛け 友人の車に乗り込んだ。
エンジンを掛け 友人が車を走らせながら 電話で話した続きを話し出した。
友人 「さっきの話の続きなんだけどさぁ…」
私 「うん。」
友人 「別に部屋に何も無いのに たまに 2~3匹飛んで来るんだよね…。」
私 「蝿って どんな蝿よ?」
友人 「でっかい羽音たてて喧しいヤツ。」
私 「でかい羽音って……。銀バエみたいな?」
友人 「多分 そう。」
私 「…………多分ね…。」
そうこうしてるうちに 友人の引っ越したアパートに着来ました。
友人 「ここだよ~」
車を駐車場に停めると 私は友人の後を着いて行きました。
アパートは何処にでもあるような ごく普通のアパートで 外壁の色が淡い緑色で玄関のドアが茶色っぽかったけど 嫌な感じは受けませんでした。友人がドアを開
後日談:
- 後で警察の方から聞いたのですが…。 友人が住んでいたアパートの二階の左端には 老夫婦と息子さんが住んでいたらしいです。 その息子さんは 働いておらず 老夫婦の年金で生活していたらしいです。 亡くなっていたのは 老夫婦の二人で どちらも腐敗が進み いつ亡くなったのか 病死なのか 事故死なのか 自殺なのか それとも 息子さんに手を掛けられたのか 分からなかったそうです。 老夫婦の遺体は 奥の六畳間の押し入れの下側に折り重なる様に押し込まれていて 腐敗が進むに連れ床板が腐り 更にその体液が下に漏れ出ていたという事でした。 その場所は 私が友人宅の天井で見付けた 黒いシミがあった場所と同じでした。 息子さんは まだ見付かっていません。 でも私は思うのです。 多分 息子さんはもぅ………。
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- ま、まーまーかな猗窩座
- ま、まーまーかな猗窩座
- ま、まーまーかな猗窩座
- 怖いなNanoarchaeum
- こたくん。 コメントありがとうございます。紫雲
- 読みごたえありました。ありがとうございます。こたくん
- 匿名さん。ありがとうございます。匿名さんも体験した方なのですね。亡くなった 祖母が言っていた事で恐縮ですが 霊感といえるモノは誰でも持っていて 覚醒するか しないかで霊感の強弱がつくらしいです。稀に本人の自覚が無いまま覚醒してしまう方もいるので、怖い思いを繰り返し 最悪 精神的に気が狂れてしまう方も少なく無い事を身を持って感じる時もあります。 何かしら怖い思いをした時は、匿名さんの様に住み処を変える事で回避する事も大切なことですよ。紫雲
- 壮絶な体験ですね。ドキドキしながら読ませて頂きました。もしかしたら亡き人から呼ばれたのかも、役立つ霊力、感心します。実は私の見えるようになった切っ掛けも一人暮らしの部屋でした。学生時代なにも知らずに、過去に○人があった所に住んでいたのです。毎日の現象が、精神的に大変になり、結果逃げました。紫煙さん次の投稿も楽しみにしています。匿名