
若い教師が古びた廃校を訪れたときのことだ。彼は生徒たちと一緒に校庭で遊んでいたが、ふと校舎の隅に目をやると、手書きの看板が立っていた。
『近寄らないでください』とだけ書かれたその看板は、特に危険を感じるような場所でもなかった。好奇心に駆られた教師は生徒たちにその看板の元に行くよう促した。しかし、近づいても何も見えなかった。
生徒たちが看板の前に立ち尽くしていると、どこからともなく冷たい風が吹き、彼らは身を震わせた。教師は気を取り直して、午後の授業へ向かうことにした。
後に、彼が帰る途中、再びその校庭を通りかかると、看板の近くに立っていた一際大きな木の上に、何かがいることに気づいた。それは、薄汚れた服を着た男が、こちらをじっと見下ろしている姿だった。
その男は人間に見えたが、目が異様に光っており、笑みを浮かべていた。看板は、彼に向けた警告だったのか、それとも彼が生徒たちを威嚇するために設けたものなのか。彼の正体は謎のままだった。教師はその後、二度とその校庭に近づくことはなかった。彼の心には、あの看板の意味と男の恐怖が深く刻み込まれていた。彼が人間なのか、それとも何か別の存在なのか、真相は永遠にわからないままだった。
その後、廃校は取り壊され、校庭は消えたが、看板の言葉だけが、今でも誰かの記憶の中で囁かれているのだろう。警告の意味を理解することはできないままに。
彼らには、何が見えていたのだろうか? それは、知らぬが仏の方がよいのかもしれない。
しかし、今もなお、あの看板が何を警告していたのか、考えずにはいられない。
その男は、どこに行ったのだろう?彼の存在はもう、この世にはいないのだろうか。
それとも、今もどこかで見ているのだろうか?
教師は、彼の存在を思い出すたび、その背筋が凍る思いをするのだ。
何も見えないはずの場所に、何かが潜んでいる気配を感じては、恐怖に震えている。
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