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廃墟で階段を下りてくる中年男

俺は廃墟マニア。
昔は栄えていた飲み屋街のビルの話。
そこは正確には廃墟ではないが、テナントの大部分が撤退し潰れた店の並ぶ廃墟状態と化していた。
俺がそこのビルに入った夜10時過ぎは、そこを歩いている客は一人もいなかった。
俺は暗い廃墟で潰れた店のカウンターなどをスマホで撮ってムード(?)を楽しんでいた。
ビルの2階をひととおり見て3階に向かおうとしていたとき、上から下りてくる男性の声を足音が聞こえてきた。
俺は誰か人がいたのかと近づいてみると、
階段の上から50代くらいの男性がフラフラしながら下りてくる。
太ってはいなくスーツをきた男性で、なぜかニヤニヤと笑いながら歩いていた。
そして男性は
「もうお終いだ、おしまいだぁ!」
みたいなことを叫んでいた。
俺は本能的にこの男性をヤバいと察知し、猛ダッシュで逃げた。
男性が追いかけてきたり何か捨て台詞を言ったりということはなかったが、一刻も早く離れないとという気持ちで精一杯だった。
あとで分かったことだが、あの飲み屋街ビルの3階やそれ以上の階に今も営業している飲み屋などは一軒もなかった。
男性は何もない廃墟のビルで、一体何をしていたのか。
そもそもあの男性自体、この世の人なんだろうか。
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