
長編
四角い部屋
匿名 1時間前
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けど。で、四角い部屋の謎解きに攻め込もうぜ、今から。チャレンジだ! リベンジだ!」
あっついなあ。リベンジって意味分かってるのだろうか?
「何お前、マジネタなのかよ? ガキじゃねえんだからさ」
「マジネタも何も。まさかお前も? 四角い部屋知ってるだろ?」
「ガクトさんが知らないネタ、僕が知ってるわけないだろ。有名なのかそれ」
ユウキが話した四角い部屋のルールはこうだった。
エレベーターで直結部屋に行った者しか「完全な四角」の意味は分からないのだが、「完全」の意味が分かると意味が分からなくなる。
四角い部屋に行くことは誰でも出来るのだが、エレベーターの最大積載量を越えることは出来ない。
必ず一階からスタート。
エレベーターのボタンを下から上まで順に押す。
点灯を確認して、その後上に向かう。
止まる直前に非常ボタンを押す、そうするとランプが点灯したまま次の階に向かう。
それを最上階まで繰り返す。全てのボタンが点灯した状態で最上階へ。
最上階まで行けるとそこは「完全な四角い部屋」だという。
途中で人が乗るなどの邪魔が入ったり、階数のランプが全て光っていなければ失敗らしい。
「エレベーターに非常ボタンなんてあるの?」
「ははっ、俺も似たようなこと聞いたわ。非常ボタンってよりも非常マイクって言った方がよかったな。あれで管理人に繋がるんだよ」
「ああ、あれのことか。緊急停止用のボタンかと思った」
「エレベーター緊急停止して何の得があるんだよ。むしろ何かあったら急ぐだろ。面白いこと言うな」
非常ボタンを押すと、外部のメンテナンス会社に繋がるものとビル内の管理人に繋がるものがある。今回行くビルは管理人に繋がるタイプのものらしい。やけに詳しい。こいつ。
「お前、既に下見済みかよ」
「まあ、そんな感じ。途中で帰ってきたけどな」
路上に駐車し、歩くこと五分。
「着いた。ここ」
「え? コレ? 全然普通のビルじゃん。死ぬほどぼろいけど。電気は点いてるけどホントに人住んでるのか」
「あの潰れたホテルよりはマシだ」
ユウキは先導して入り口へとずんずん進む。見たところ十階程度のマンションだ。
外灯からの距離が離れているせいか、建物の壁面が薄汚れた灰色をしているせいか、マンション管理会社が電気代をケチっているせいなのか分からないが、いやに暗い。
「これがそのエレベーター」
ボタンを押すと、チンという音が鳴り、すぐさま扉が開いた。
しばらく誰も乗
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- 男でも女でもないお客様候補の化け物がいるマンションの方が怖い。ポロロッカ
- 面白いです。うんこりん