
大学生の頃、私たちは廃墟探検にハマっていた。ある秋の夕暮れ、友人と二人で古びた遊園地に向かうことにした。かつては賑わっていた場所だが、今では朽ち果て、哀愁を漂わせている。特に観覧車はその象徴で、青空に向かって高くそびえ立つ姿が不気味だった。
遊園地に着くと、私たちはまず観覧車に向かった。周囲は静まり返り、風の音だけが響く。友人と写真を撮り合いながら、徐々に緊張感が高まっていく。ところが、写真を撮り終えた頃、私は何かに引き寄せられるような気持ちになった。まるで誰かの声が聞こえてくるような、魅惑的な感覚だった。
そのまま観覧車の方へと歩き出す。恐怖感は全くなく、ただ進むべきだという思いだけが強くなっていく。友人が後ろから呼ぶ声が遠くなる。気がつくと、私は観覧車の近くに立っていた。周囲は暗く、夕日が沈む様子が一層不気味さを増している。
「やめろ!」という友人の叫び声が耳に入った瞬間、私は我に返った。心臓がドキドキし、冷や汗が流れる。振り返ると、友人が私の腕を掴んで引き戻してくれたのだ。彼は私が自殺を試みていたと思ったようだ。
その時、私は分かった。多くの霊がこの場所に留まり、私を呼び寄せていたのだ。もし友人が引き止めてくれなければ、私はそのまま観覧車に向かっていたかもしれない。単なる遊びのつもりで訪れたこの遊園地が、実は恐ろしい呼び声を持っていたとは思いもよらなかった。私たちは無事だったが、ここにはまだ語られぬ物語が眠っているのだ。友人と共に帰る道中、廃墟の遊園地の影が背後に迫り、後味の悪い思い出として心に刻まれた。もう二度と訪れることはないだろう。彼は私が戻ってきたことを喜んでいたが、私の心には恐怖の影が残ったままだった。夜が深まるにつれ、その恐怖がますます強くなっていくのを感じた。どこかで、また誰かが私を呼んでいるような気がする。彼らは、私に何かを伝えたかったのかもしれない。
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