本当にあった怖い話

怖い話の投稿サイト。自由に投稿やコメントができます。

新着 中編
山奥の秘密
山奥の秘密
新着 中編

山奥の秘密

怖い 0
怖くない 0
chat_bubble 0
17 views

俺は失業し、生活に行き詰まっていた。老朽化した温泉宿に逃げ込んで、心の安息を求めていたが、今はただの逃避に過ぎなかった。宿の主は無口で、宿泊客はほとんどいなかったが、窓の外から時折聞こえる風の音が不気味さを増していた。

部屋には古びた湯呑みと、賞味期限が切れたビール、そして数錠の睡眠薬があった。俺はそれらを使って今日一日を忘れようとした。だが、酒が薄く、薬の効き目も弱かった。俺はただ、暗闇の中で自分の無力さを感じていた。

ふと、ドアの方から足音が聞こえた。振り向くと、若い男が立っていた。彼は俺と同様に宿泊客のようだったが、何故かその視線には冷たいものを感じた。

「これ、飲んでみてよ」と男は古い湯呑みを差し出した。

「これは…?」

「美味しいよ、特別な飲み物さ」と彼は微笑んで言った。しかし、その笑顔はどこか不気味だった。

俺は抵抗を感じながらも、湯呑みを受け取ってしまった。口にした瞬間、妙な高揚感が全身を駆け巡った。だが、それと同時に意識が朦朧としてきた。

「どうしたの?」男は優しく尋ねた。

「なんか…変だ…」

「大丈夫、すぐに楽になるから」と彼の声が遠のいていく。意識が遠のく中で、彼の姿が次第にぼやけていく。気づくと、俺は部屋の床に横たわっていた。

次に目を覚ましたとき、周りには俺の服が散乱していた。男の姿は消えていたが、彼が残した湯呑みがひとつ、俺の近くに転がっていた。その中には、赤黒い液体が残っていた。

慌てて立ち上がると、窓の外に何かが動くのが見えた。薄暗い明かりの中、温泉宿の裏手にある古い井戸のそばに、男が立っていた。彼はなぜか青白い光を放っているように見えた。俺は恐怖で身動きが取れなかった。

「お前、気に入ったかな?」彼はにやりと笑った。

その瞬間、俺は全てを理解した。彼はこの宿の主であり、俺を取り込むためにこの場所に誘ったのだ。自分の身を守るために、俺は逃げようとしたが、足が動かない。彼の目は俺を捉え、逃げ道はどこにもなかった。

「来てくれてありがとう。これからが本番だ」と彼は言った。その瞬間、周囲が暗転し、俺の意識は再び遠のいていった。

目が覚めたとき、床に散らばった服や荷物が目に入った。そこには、俺が着ていた服があった。彼は、俺をこの宿の一部にするつもりだったのだ。暗闇の中から、彼の笑い声が聞こえた。

「ようこそ、永遠にここで生きることになったね」と彼は言った。

1 / 2

後日談:

後日談はまだありません。

アバター 001_001

はじめまして、よろしくお願いします。

投稿数 5
怖い評価 101
閲覧数 5.4k

この怖い話はどうでしたか?

f X LINE

chat_bubble コメント(0件)

コメントはまだありません。

0/500

利用規約をよく読んで、同意の上でコメントしてください。

・連続コメントは禁止しておりますが、新規登録・ログインすることで、連続コメントも可能となります。

お客様の端末情報

IP:::ffff:172.30.0.249

端末:Mozilla/5.0 AppleWebKit/537.36 (KHTML, like Gecko; compatible; ClaudeBot/1.0; +claudebot@anthropic.com)

※ 不適切な投稿の抑止・対応のために記録される場合があります。

label 話題のタグ

search

【参加型】投稿企画・タイアップ企画

  • 学校
  • 心霊スポット
  • 意味怖
  • 禍禍女

一息で読める短い怪談

読み込み中...

じっくり染み込む中編怪談

読み込み中...

深夜に読むと戻れなくなる長編怪談

読み込み中...