
長編
お札の貼られた廊下
匿名 2017年3月27日
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られない。
私は再び宮本を先頭に、先ほどAが降りて行ったトイレへと案内してもらった。
ちなみにAは、あまり行きたくないといった様子で和室に残った。
階段を降りて廊下を進んで行く途中、宮本が少し真剣な表情をして言った。
「多分◯◯なら平気だろうけど、まだばあちゃんいるから、あんまり騒がしくすんなよ?」
「さっきから何なんですか?何があるんですか?」
「トイレと風呂場だよ、でもその先の廊下がばあちゃんの部屋に続いてて、奥まった場所にあるの」
そして、例のトイレと風呂、お祖母さんの部屋に続く廊下に差し掛かかった。
日が差し込んでいるのに薄暗く、じっとりとしている。
宮「この先がトイレと風呂、他にもいくつか和室があるけどそっちは殆ど使ってないから」
そしてトイレと風呂の扉を通り過ぎて、日の差し込まない廊下の奥に行くと、私は思わず口を噤んだ。
そこに無数のお札が貼られてあったからだ。
壁と天井、フローリングの床の上までびっしりと何枚ものお札が貼り付けてある。
「まぁ、こういうのがあるから、初めて見た人はきっと怖いだろうなって」
宮本はのん気に言っていたが、その時の私は思わず彼の服の袖を掴んでしまっていた。
まるでお祖母さんのいる部屋へ続く一角を区切るかのように、ベタベタと至る所に貼られているお札。
あの光景は今でも忘れる事が出来ない。
「これって…お守り的な、やつ…?じゃないですよね」
「どちらかと言えば魔除けかな」
お守りも魔除けも、私からすればどちらも似たような物な気がしたが正確には違うらしい。
宮本曰く、この廊下に貼られているのは魔除けのお札で、良くないものを立ち入らせない為に貼っていると言うのだ。
「普段はあんまり俺も他の家族もこっち来ないんだよね、夜とか結構怖いからさ」
「でしょうね…これ、何でこんな風になってるかとか聞いても大丈夫なやつですか?」
「ホント好きだね◯◯は。別にいいけど」
宮本の話によると、離れの一角(お祖母さんの部屋に続く廊下の奥)にお札を貼るようになったのは、お祖父さんが亡くなられた一昨年かららしい。
その頃、お祖父さんを亡くしたお祖母さんは憔悴しきってしまい、部屋から顔を出すことが少なくなっていたという。
宮本を含む他の家族も心配しつつ、交代で一階にある和室に誰かが寝泊まりしてお祖母さんの様子を気遣っていた。
その夜は宮本が和室で寝る日で
後日談:
- またしてもおばあちゃん系の話です。 多少会話や描写は過剰に演出していますが、本筋では私が実際に見て、先輩から聞いた話をそのまま書き起こしました。 何か直接的に霊障があったわけではないのですが、本当に床や壁、天井にまでお札が貼られていたあの光景は忘れることができません。 この先輩からはよく色々な怖い話(本人の体験談が多い)を聞かせてもらっていたので、これから少しづつ投稿していきたいと思います。
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- なんで先輩を呼び捨て?ま
- 御札が貼られてるの見たことないが、怖そうだ。Nanoarchaeum
- ゾクッとするような話ですね!ぼんばー50
- 結梅様、わーい様、コメントありがとうございます(^.^)七品
- お札がペタペタ~わーい
- ここここここここここここここここここここここここここここここここここここここここここわわわわわわわわわわわわわわわわわわわわわわわいいいいいいいいいいいいいいいいボルゲーノ