
長編
お札の貼られた廊下
匿名 3日前
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「じゃあ宮本さん来るまで待ってれば」
A「うーん、まぁそうだよね」
そう言って、Aは少し恥ずかしそうに笑うと一緒に荷物を片付けながら宮本が帰って来るのを待った。
そして暫くすると一階の玄関の扉が開く音がして、人数分のコップとお茶の入った容器をお盆に乗せた宮本さんが和室の中に入ってきた。
「ごめん、お待たせー」
「あ、宮本さん何かAがトイレずっと我慢してたらしいんですけど」
「あー、そうなん」
A「すいません」
「一階の使うのはやっぱ拙いですか?」
「いや、別にそこまでは言わないよ、ここにもトイレとお風呂もあるから今夜は使うだろうし、てか俺も場所とか言ってなくてごめんね」
A「あ、なら良かったです」
「トイレと風呂は階段降りて手前の廊下にあるから。でも奥にはあんまり行かないで、そっちがばあちゃんの部屋になってるから」
A「分かりました」
「俺も一緒に行くわ、多分 怖いだろうし」
その時、宮本の言葉に私とAは揃って首を傾げた。
しかし先に宮本が階段を降りていってしまったため、自然とAもそれに連れ立って、和室には私だけが残される形となった。
何が怖いというのだろう?
宮本は私達の中でも時々話題に上がるいわゆる「見える人」だ。
私とAは霊感などは皆無だが、宮本はおそらく本物だろうと思っていた。
宮本が自分からそういった話をする事は滅多にないが、実際に彼が体験した話を聞いていると背筋が冷たくなる事がある。
だから私は、きっとこの離れで宮本は何かを見たか聞いたか、感じた事があるのだろうと思った。
霊感のある宮本が育った家なのだから、そういった類の経験をしていないという方がおかしい。
怪談やオカルト、怖い話を人から聞く事が趣味の私は、何か聞けるかもしれないと思いながら2人の帰りを待った。
そして暫くすると階段を上がってくる音がして、2人が和室へと入ってきた。
しかしどうにも様子がおかしい。
Aが若干表情を強張らせながら、しきりに階段の方を気にしている。
「どうかしたの?」
A「いや、何ていうか…」
そしてAはなんと言っていいのか分からない様子で、隣の宮本に視線を向けた。
「うん、まぁ、あれは誰でもビビるよね」
「何がビビるんですか?教えて下さいよ」
A「◯◯(私)は怖い話とか好きだから、むしろテンション上がるかもしんないわ」
そう言われてしまえばもう確かめずにはい
後日談:
- またしてもおばあちゃん系の話です。 多少会話や描写は過剰に演出していますが、本筋では私が実際に見て、先輩から聞いた話をそのまま書き起こしました。 何か直接的に霊障があったわけではないのですが、本当に床や壁、天井にまでお札が貼られていたあの光景は忘れることができません。 この先輩からはよく色々な怖い話(本人の体験談が多い)を聞かせてもらっていたので、これから少しづつ投稿していきたいと思います。
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- なんで先輩を呼び捨て?ま
- 御札が貼られてるの見たことないが、怖そうだ。Nanoarchaeum
- ゾクッとするような話ですね!ぼんばー50
- 結梅様、わーい様、コメントありがとうございます(^.^)七品
- お札がペタペタ~わーい
- ここここここここここここここここここここここここここここここここここここここここここわわわわわわわわわわわわわわわわわわわわわわわいいいいいいいいいいいいいいいいボルゲーノ