
長編
お札の貼られた廊下
匿名 3日前
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の支度始めとくわ」
私はその時の2人の会話を聞いて、離れにはお祖母さんが住んでいるのだろうか、と思った。
きっと私達が騒いでお祖母さんの気に障らないように、というような事だろう。
家の中に入って廊下を歩いていると、本格的な日本家屋とはこういった作りなのかとしみじみと思った。
母屋は平家だが私達が通された離れは二階建てとなっており、母屋とは一本の廊下で繋がっていて、庭の端をL字に横切るような形になっていた。
先ほど庭を歩いていた時には母屋と重なってちょうど見えていなかったのだが、離れもかなりの大きさである事に驚いた。
単純な大きさで言えば一戸建ての家ほどもある。
「大きいですねぇ」
「元々はじいちゃんとばあちゃんが使うようにって10年くらい前に建て替えたんだ」
離れに入るにも玄関口のような引き戸があり、それを開くと宮本はすぐ目の前に伸びていてる階段を登って行った。
「お祖父さんとお祖母さんは離れにはいないんですか?」
「じいちゃんは一昨年亡くなって、今はばあちゃんがこっちに住んでるよ」
やはりここにはお祖母さんがいるらしい、となるとあまり羽目を外して騒ぐのも迷惑というものだろう。
「それじゃあ少し静かにしておいた方がいいですね」
「いや、そこまで気遣わなくても大丈夫。ばあちゃん殆ど寝たきりだから」
「ご病気ですか?」
「んー、まぁ、そんなもんかな」
何となく歯切れの悪い返事だったが家族の事に深く立ち入るのも失礼だと思い、私は宮本に案内されるまま、そこで話を終えて二階の吹き抜けとなっている和室へと入った。
「とりあえず荷物は適当に置いていいから」
「お祖母さんに挨拶とかしなくていいんですか?」
「うん、大丈夫。あと一階だけど今はばあちゃんしかいなくて、そっちの方にはあんま行かないでくれるか。ごめんな」
特に理由を尋ねなかったが、家主がそう言うのだからそれに従うのは当たり前だろう。
私達が揃って了承すると、宮本は何か飲み物を取ってくるからそれまで寛いでおいて、と言い残して離れを出て行った。
A「あ、やば、トイレの場所聞いてない」
と、私の隣にいたAが言った。
「何で?トイレ行きたいの?」
A「さっきからずっと我慢してたの忘れてた」
「一応ここにもあるんじゃない?」
A「使っていいのかな?宮本さん一階にはお祖母さんがいるから、あんまり行かないでって言ってたけど」
後日談:
- またしてもおばあちゃん系の話です。 多少会話や描写は過剰に演出していますが、本筋では私が実際に見て、先輩から聞いた話をそのまま書き起こしました。 何か直接的に霊障があったわけではないのですが、本当に床や壁、天井にまでお札が貼られていたあの光景は忘れることができません。 この先輩からはよく色々な怖い話(本人の体験談が多い)を聞かせてもらっていたので、これから少しづつ投稿していきたいと思います。
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- なんで先輩を呼び捨て?ま
- 御札が貼られてるの見たことないが、怖そうだ。Nanoarchaeum
- ゾクッとするような話ですね!ぼんばー50
- 結梅様、わーい様、コメントありがとうございます(^.^)七品
- お札がペタペタ~わーい
- ここここここここここここここここここここここここここここここここここここここここここわわわわわわわわわわわわわわわわわわわわわわわいいいいいいいいいいいいいいいいボルゲーノ