
俺が28才のときの話。
父方の伯母の旦那の母が亡くなり、俺が葬儀に出席することになった。
遠縁であるその方とは面識もなかったが、我が家の親族代表として参列してほしいということだった。
俺は車に乗って、二つ隣りの県の山の中の町まで向かった。
その家の親族は伯母の旦那しか知らず、しかも本家に行くのは勿論初めてだった。
山道をだいぶ進んでもうすぐ本家に着く頃、一軒のコンビニを見つけた。
こんな山の中でコンビニがあるのは珍しいことと、葬儀中いつ買い出しに行けるかは分からないので寄ってみることにした。
店で飲み物や軽食を選んでいると、レジに中年の夫婦が並んでいるのが目に入った。
2人とも50代半ばくらいの喪服のような正装で何の変哲もない夫婦なんだが、なぜか気になってみてしまった。
女性の方は、セミロングのおろした茶髪、細くて綺麗なスタイル、50代で肌や髪も年を重ねた感じだったが、魅力的な雰囲気だった。
そのあとは会計を済ませ、車の中で軽食やコーヒーを口にしたあと本家に向かった。
本家に着くと、そこは昔ながらの木造で立派なお屋敷だった。
応接間に案内されると、そこに沢山の親族が集まっていたが知らない人ばかりだった。
葬儀は何事も無く順調に進んでいった。
そのあと、通夜振る舞いで親族と会食した。
そのなかにコンビニで見かけたあの夫婦がいた。
あの人たちも親族だったのか。
女性は俺の方を見て微笑み、綺麗で感じのいい人だなぁと感じていた。
そのあとは酒も入り、故人を偲びながらも夜遅くまで親族たちは話し続けていた。
・・
翌日の告別式には、あの夫婦の姿は見られなかった。何か事情があって参列出来なかったのかなと思っていた。
納骨も終わったあと親族にあの夫婦についてそれとなく聞いてみると、
その夫婦は故人の長男夫婦ではないかと言う。
だが長男夫婦は、数年前の帰省の際に本家の
ほんの近くのコンビニの駐車場で暴走した車と正面衝突して2人とも亡くなったという。
故人は長男夫婦の不幸を晩年ずっと悲しんでいたそうだ。
そんな故人の思いが強い長男夫婦が母の葬儀にあらわれたのではないだろうかということだった。
後日談:
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