
ある冬の夜、若手のビジネスマンたちが仕事帰りに高層ビルの屋上で集まりました。
彼らは寒さをしのぎながら、互いに怖い話をして盛り上がっていました。話題が進むにつれ、ビルの最上階にある古びたオフィスが放置されているという噂が浮上しました。かつてそのオフィスでは、奇怪な出来事が連続し、誰も近づかなくなったと言われています。
興味を持った彼らは、そのオフィスを探検することに決めました。真っ暗な廊下を進むうちに、彼らは一枚の古い写真を見つけました。写真には、かつてこのオフィスで働いていたと思われる男性たちが映っていました。
その中の一人に目を凝らすと、何かが違和感を覚えました。彼が自分の知っている同僚の顔とそっくりだったのです。驚きながらも、他の友人たちには普通の写真にしか見えないようで、彼は一人だけがその不気味さを感じ取っていました。
その瞬間、彼は胸騒ぎを覚え、写真を手に持ったまま友人たちに合流しようとしました。しかし、彼が振り返ると、写真が一瞬で燃え上がり、灰になって風に飛ばされていきました。彼は恐怖で動けず、ただ立ち尽くしました。
灰の中には、彼が見た顔の断片が混ざっていました。どこか悲しげな表情を浮かべているその顔は、まるで彼自身を見つめ返しているようでした。それ以来、彼は自分が鏡で自分の顔を見ることを恐れ、二度と鏡を見ようとはしませんでした。
彼は今、思い返すたびに、あの時の顔がどこか別の誰かのものになってしまったのではないかと、不安でいっぱいです。自分は今、誰の顔をしているのだろうか…?
その不安は、彼の心の奥深くに根付いています。彼は鏡を恐れながら、日々を過ごしています。自分が何者であるかを、見つめることすらできないまま。
彼の心に残るのは、あの写真が、彼の存在を脅かす何かであったという記憶だけなのです。
彼は今でも、あの夜の出来事を思い出すたび、胸の奥に冷たい恐怖を感じています。
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