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妹の膝の上にいた赤鬼

夏休みに帰省で田舎から家に戻る新幹線の3人掛けの席で、窓際から弟(小3)、妹(小5)、俺(中1)の順に3兄妹が並び、両親はひとつ前の席だった、新幹線が1時間以上ずっと止まらない区間で、車内はほぼ満席にも関わらず走行音と僅かな物音以外何も聞こえない静寂が広がっていた。
俺も通路側でやることもないし気がついたら寝てしまっていた。
目が覚めると、新幹線はよく知らない町を延々と走っていた。
俺の横には妹と弟が気持ち良さそうに眠っていた。
ふと妹を見ると服の膨らみが目立っていて、まだ子供なのに体は大人に近づいてきていることにしみじみとみていた。
俺はしばらく寝ている妹と弟を見守っていた。
そして、新幹線がトンネルに入ったとき。
窓の景色に違和感を感じて見ると、窓に反射した妹の上に小さな赤鬼のようなものが乗っていた。
何だ?何だ?
俺は目を凝らして見ると、新幹線はトンネルから出て普通の景色が見えた。
勿論、すぐ横の妹の上には何もない。
それからしばらくして新幹線がトンネルに入ると。
窓に反射した妹の膝に身長20cmくらいの小さな赤鬼が乗っていた。
俺は窓を見ていると、赤鬼も俺に気づき窓越しに睨んできた。
「見られたか!あと少しで妹を・・。まぁいい、今回は見逃してやる!でも覚えておけよ。」
それからすぐ新幹線はトンネルを出て鬼が見えなくなり、それ以降はトンネルで鬼を見ることは二度となかった。
妹の身にはそれから何年経っても何ともなく、勿論俺たち家族も病気や事故に見舞われることもない。
だが、もし俺があのとき赤鬼に気づかなかったら、妹はどうなっていたのだろうか。
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