
冬休みのある夕方、大学生の友人グループは、かつて稼働していた廃墟の工場へ向かうことにした。彼らはこの場所が心霊スポットとして知られていることを知っていたが、特に恐れることはなく、むしろ興味本位で足を運んだのだ。
その工場は、長い間放置されており、外観は崩れかけていたが、内部にはまだ多くの道具や機械が残されていた。友人たちは古びたカメラを持ち込み、写真を撮りながら探索を楽しんでいた。
途中、友人の一人が「この工場の奥に行ってみたい」と言い出し、他のメンバーも彼に続いた。暗い通路を進み、薄暗い部屋にたどり着くと、古い機械の影が不気味に揺れていた。
彼らはその影が気になり、さらに奥へ進んだ。そこで彼らは全員が一枚の写真を撮ることにした。すると、一人の友人が突然その影に向かって手を伸ばし、何かを掴もうとした。皆はそれを冗談だと思い、笑い合っていたが、彼の手が影に触れると一瞬、周囲の空気が変わった。
その後、彼は何もなかったかのように戻ってきたが、友人たちは少し不安になった。結局、彼らはそのまま帰ることにした。
数日後、友人たちはその時の写真を確認していた。すると、一枚の写真に、あの影が確かに映り込んでいることに気づいた。その影は、彼の手が伸びている位置に、まるで誰かが彼に触れようとしているように見えた。
驚きと恐怖が彼らを襲ったが、その後の数日間で、あの友人が急に行方不明になってしまった。彼を探し続けたが、彼の姿はどこにも見つからなかった。数週間後、彼の遺体がその工場の近くで発見され、友人たちはその時の影が本当に彼を引き寄せてしまったのではないかと恐れた。
あの工場には、何かが残っているのかもしれない。友人たちはその影のことを忘れられないままだった。冬の夕暮れが迫るたびに、あの影が再び現れるのではないかと恐れていたのだ。彼らの中には、まだあの場所を訪れたくないと感じる者もいた。彼の手が伸びた先には、今も何かが待ち受けているのかもしれない。彼らはそのことを心の奥に秘めたまま、冬の寒さに震えていた。
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