
小学4年生の頃、私(Sくん)は初めてそのサマーキャンプに参加した。
父親が高校教員だったこともあり、幼い頃から部活動や学校行事に顔を出す機会は多かった。そのキャンプもその一つで、某県の山奥にある少年自然の家のような施設に、各地の高校から集まった生徒たちが4日間を共に過ごすイベントだった。
研修やレクリエーションが目的だったが、小学生だったSくんにとってはそんなことはどうでもよかった。
毎年最終日の夜に行われる「肝試し」。
それこそが、このキャンプ最大の目当てだった。
しかし小学4年生の時は、「暗くて危ないから」という理由で、コースの途中までしか歩かせてもらえなかった。遠ざかっていく懐中電灯の明かりを眺めながら、「来年こそ最後まで行く」と心に誓ったことを今でも覚えている。
そして迎えた小学5年生の夏。
ようやく、その約束を果たせる年になった。
キャンプへ向かう車内では、髭だんの『Pretender』が流れていた。流れる山道を眺めながら、「今年こそ最後まで歩ける」と期待に胸を膨らませていた。
当時の私は、都市伝説や心霊話が大好きだった。ナオキマンの動画を見漁り、幽霊や未確認生物の話を友達と話す。オカルト好きの小学生だった。
だからこそ、本物の肝試しが楽しみで仕方なかった。
もちろん、この夏が一生忘れられない思い出になるとは思ってもいなかった。
---
キャンプ場は山奥にあった。
近くに民家はほとんどなく、最寄りのコンビニまで車で何十分もかかる。昼間は川のせせらぎと蝉の鳴き声が響く自然豊かな場所だったが、夜になると景色はまるで別世界になる。
街灯はまばらで、その光が届かない場所は何も見えないほど暗い。自動販売機へ行くだけでも歩いて10分ほどかかる。
今思えば、肝試しをするにはこれ以上ない環境だった。
高校生たちは昼は川遊びをし、夜は花火を楽しみ、最後には肝試しをする。
今ではあまり見かけなくなった、どこか昔ながらの自由なキャンプだった。
Sくんは、その雰囲気が大好きだった。
---
3日間はあっという間に過ぎた。
小学生だったSくんは高校生たちによく可愛がられ、特に女子高生たちからは弟のように接してもらっていた。
今思えば、人生最後のモテ期だったのかもしれない。
その中でも特に仲良くしてくれたAさんとBさん。
「Sくん、一緒のグループで肝試し行こう。」
その一言で、Sくんは二人を含めた7人グループで肝試しへ向かうことになった。
---
コースは予想以上に本格的だった。
後日談:
後日談はまだありません。
この怖い話はどうでしたか?
chat_bubble コメント(0件)
コメントはまだありません。



