新着 短編
夜道を自転車で帰る2人

(「音楽室から談笑する2人、帰ろうとすると後ろから声が」の続き)
・・
桜子と博正は、自転車置き場に面したガラス戸を開こうとすると、
「まだいたのか!」
2人は驚いて振り返ると、そこには博正のいる1組の担任であり世界史の教師である宝沢先生がいた。
「宝沢先生!」
「お前たち、こんな遅くまで何やってたんだ。」
桜子は、照れ隠ししたように
「うん。ちょっとね。」
桜子も1年のときの歴史総合の授業で宝沢先生とは面識があった。
宝沢先生はニヤリと笑い
「そうか。細野と山倉がね・・。」
「先生。たまたまなんです!」
博正が慌てたように言う様子を、桜子は微笑しながら見ていた。
「まぁ恥ずかしがらなくていい。細野、もう遅いから山倉のことしっかり送ってやるんだぞ。」
宝沢先生は廊下を歩いて行った。
博正は嬉しいような恥ずかしいような気分だった。
・・
2人は自転車に乗り、校門を出てしばらく経ったところで
「細野くん。ちょっと聞きたいんだけど。」
と桜子が切り出した。博正はドキリとしながら、
「どうしたの?山倉さん。」
「細野くんって彼女いるの?」
唐突に聞かれた博正だが、
「いないけど。」
「あ、そうなんだ。」
このとき桜子が博正に聞いたのは興味本位であり、恋人の有無を知ったところでどうということはなかった。
博正は少しためらいながらも、
「山倉さんは彼氏いるの?」
と聞いた。
ちょうど赤信号の横断歩道の近くまで来ていたことも桜子は自転車を停めて博正の方を見た。
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