
中編
ばあちゃんとの思い出
匿名 2022年8月30日
chat_bubble 1
4,736 views
俺が体験した怖いっていうか少し不思議な話
小学校に上がる頃くらいまで俺は本宅にじいちゃんとばあちゃんとおじさんと両親と兄二人と暮らしてた。
じいちゃんは俺には変顔みせてくれたり、ばあちゃんも色々世話してくれたり大好きだったって記憶がある。
俺の父親の兄貴で長男だったおじさんはちょっと変わり者で結婚してなく隠居したじいちゃんの跡取りとして本宅で農業してた。
甥っ子にあたる俺ら兄弟にもすごい厳しい人ですげー怖かったって記憶したない。
あんまりおじさんも同居してるって聞かない話だけど子供の頃はそんなのなにも気にせず生活してた。
で、俺が保育園年長の時にじいちゃんが死んだんだ。
それをきっかけにか俺たち家族は本宅からそんなに離れてない所に家建てて暮らすことになった。
本宅はおじさんとばあちゃんの二人暮らしになった。
俺はおじさんが怖かったのもあってその日から本宅の方には全然行かなかった。
ばあちゃんはたまにこっちの家にも来たりしててばあちゃんとは遊んだりしてた。
でもそれも俺が小学校3.4年生くらいまででそれからはばあちゃんともあんまり会わなくなった。
中学に上がった頃には部活とか色々でばあちゃんのことを気に留めることすらなかったし、都会に憧れるミーハーだったから高校進学をきっかけに県外にでたんだ。
それから十数年地元に帰ってなかったんだけどつい先日ちょっとプライベートでも仕事面でも疲れる事があって田舎の空気すいてー!お盆くらい帰るか!って帰ったんだ。
久しぶり帰って両親は驚いてたけどウェルカムモードで手料理振る舞ってくれたり旨い酒があるってプチ宴会みたいな感じで思い出話とかなんかをあてに酒飲んでたんだ。
ちょっとほろ酔い気味になった時ふとばあちゃんの事を思い出したんだ。
そういや、ばあちゃんってもうだいぶ歳いってるんじゃないんか?って
もし亡くなってたら親から電話の一つくらいあるだろうし、俺の親父は兄弟の末っ子でその末っ子が俺
1番上の従兄弟なんかとは20くらい離れてるからばあちゃんもかなり高齢なんじゃないかなって思ったんだよね。
だから両親に
「ばあちゃんもう何歳になるの?元気なん?」
って感じで聞いたんだけど
両親共に、は?みたいな顔してる訳
この雰囲気になになに??って感じで俺が焦ってたら母ちゃんが
「どこのばあちゃんよ?」
と言い出す始末
「いや、一緒に住んでた俺のばあちゃんよ」
って俺
また怪訝そうな表情で母ちゃんが
「あんたばあちゃんに会ったことないでしょ?あんたが生まれる前には亡くなってるんだから」
って
そっからは嘘つくなやって感じでぐだぐだ言い争いみたいになったけど
小さい頃の記憶だし近所のばあちゃんと勘違いしてるんじゃないって結末で俺は納得いかないけど話は終わった。
そして次の朝、母ちゃんに叩き起こされて本宅に線香上げに行くよってなったのね
母ちゃんに付いてって本宅にいったら全然変わってなくて懐かしいなって
おじさんにも挨拶を程々にして仏間っていうのかな?仏壇のある部屋にいったんだ。
そこにご先祖様の遺影が並んでるとこにじいちゃんの写真見つけて懐かしいなやっぱ顔覚えてるもんだななんて考えてたら
母ちゃんが遺影の中のひとつを指差して
「ほら、ばあちゃん。見たことないでしょ?」って
その遺影の中で笑ってるばあちゃん。まんま俺の記憶の中のばあちゃんで紛れもなく俺の世話焼いてくれたりしたばあちゃんだったんだ。
母ちゃんにそう訴えたけど、やっぱり母ちゃんは怪訝そうな顔して全然信じてくれなかったんだけど
その話いつの間にか後ろで聞いてたおじさんが
「かあちゃん、死ぬ時までおまえが産まれるのたのしみにしとったけんなあ」
とぼそっと一言
それからおじさんと母ちゃんにばあちゃんの話きいたら
母ちゃんが妊娠分かった時じいちゃさんとばあちゃんは大層喜んだとか
でもその後すぐばあちゃんは末期ガンだとわかって手の施しよう無く俺が産まれるの前に亡くなったんだと。
死ぬ直前まで生まれてくる子の顔見るまで死ねんって言ってたって聞いてほろりとした。
幽霊とか苦手だけどばあちゃんの幽霊ならまた会いたいなって
まあそんな感じの怖くも無く俺にとってはちょっと不思議で悲しくてでも嬉しいような話。
でも一つだけばあちゃんが幽霊だとしたらなら腑に落ちないっていうか分からないことがあるんだよ。
俺のばあちゃんとの一番鮮明に記憶に残ってる思い出なんだけど即席麺作ってもらった事なんだよな。
即席麺作る幽霊なんているの?
この怖い話はどうでしたか?
chat_bubble コメント(1件)
コメントはまだありません。