
長編
見間違い
匿名 2日前
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と
その子が駆け寄ってきて
「久々に会えて嬉しかったよ。」
と良いました。
「てっきり避けられてるかと思った。」
と私が言うと、
「昔付き合ってただけに、今更なに話せば良いか
考えてたら変に緊張しちゃって。」
と彼女はあの頃と変わらない笑顔を私に向ける。
少し談笑したあと、彼女はおもむろに手提げの紙袋を
私に手渡した。
「これは?」
「一人でいる時に開けてね。
それじゃ...。」
そう言い残し、彼女は走り去ってしまう。
私はその場で開けることはせず、トイレを済ますと
建物の外で待つ、友人たちの下へ向かった。
「おい、ひょっとして大の方か?」
「違う違う、そんじゃそろそろ帰るわ。」
「えぇ〜二次会行こうぜ〜。」
「付き合い悪いゾォ〜。」
「いやいや、俺そんなに飲めにしさ。」
私がそう言って帰ろうとすると、
近くにいた女子に呼び止められる。
「ねぇ、それどうしたの?」
「ん?あぁ〜まぁいいか、ほら高校時代に
俺が付き合ってA子っているだろ?
今日来てたみたいでさ、さっき帰り際渡されたんだよ。
まぁ当時俺があいつに貸してたゲームとか本とかだと思うけど。」
「えっあの子来てたっけ?」
「いや来てたよ?俺の斜め前の席に座ってたし。」
私がそう言うと目の前の子は不思議そうな顔をする。
「ねぇA子ちゃんって今日のクラス会参加してたっけ?」
その子が幹事の女子たちに尋ねる。
「いいや、クラス会の話が決まってみんなに流した時も
あの子はグループ内にいなかったし、
そもそも会場内で見かけてないから見間違いじゃないの?」
驚くことにその子も、元カノのA子はいなかった言う。
「えっじゃあ、あの席にいたのは誰なんだよ?」
「あたし、●●の前に座ってたけど
確かにあたしの隣に誰かいたよね。
顔をは覚えてないけど。」
「そうなの?あんなに話してたのに?」
「そっそうだっけ?酔って見間違ったんじゃない?
あれくらいの背格好の子、このクラス会にたくさんいるし。」
「じゃあ、この紙袋はどう説明する?」
私は女子3人の前に、彼女からもらった紙袋を突き出す。
「それ何が入ってんの?」
「まだ開けてないけど...。」
私は少し怖い気持ちを抑えつつ、紙袋に入っているものを
取り出した。
中には一枚の手紙と何かを包んだハンカチが入っていた。
手紙には赤い文字で
「●●くんへ 遅くなってごめん、やっと決心がつきました。」
とだけ書かれていま
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