
長編
見間違い
匿名 2日前
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すぐに救急車を呼んでくれたことで、一命をとりとめたのだとか。
全身包帯でぐるぐるに巻かれた私はそれから数ヶ月は
入院生活の日々でした、途中でそのトラックの運転手のおじさんが
お見舞いに来てくれました。
大層気を病んでいたようで、病室にくるなり土下座をされました。
私は最初こそ腹が立ちましたが、ほぼ毎日お見舞いに来る
おじさんの献身的な姿勢を見て許すことにしました。
一ヶ月も過ぎた頃、私はふとあの時の事故の詳細を
おじさんに聞いてみました。
「あの日の夜は、体調も悪くなかったしトラックの整備もきちんと
行った上で走ってたから、まさかいつも曲がっている
交差点を曲がりきれずに、あろうことか青信号で渡っている
自転車に突っ込むとは思わなかったよ。」
「そうですか。他に何かありませんか?」
「...あぁそうだ、そう言えば君とぶつかる寸前に
君の乗ってる自転車の後ろに女の子がいたのが見えたんだけど
あれは彼女さんだったのかな?トラックを降りて駆けつけた時には
その女の子の姿はなくてさ、驚いたけどそれどころじゃなくてさ。」
「お...女の子ですか..。」
私はおじさんにその子の特徴を聞いてさらに確信しました。
なぜあの日に彼女と再会し、その帰りに事故に合ったのか。
そしてあの子がくれた手紙の
「●●くんへ 遅くなってごめん、やっと決心がつきました。」
その意味にやっと気づいたのです。
彼女のあの手紙はお別れの手紙ではなく、
....私を迎えにくることを伝えるものだったのです。
その後退院して、すぐにあの時写真を見せてくれた
クラスメイトに連絡し今までのことを話しました。
すると彼女はため息まじりにこう言いました。
「だってあの日は、彼女の命日だったからね。」
終わり
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