
短編
雨
匿名 3日前
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とある休日の出来事。
その日は、天気が良く窓から午後の日差しが差し込んでいた。
私は3人家族で妻と娘が1人いる。
その日は外出はせず、家でやんちゃな娘と遊び、娘を寝かした後、自分の部屋に戻り昼寝をすることにした。
静寂になった部屋で心地よい日向で私は眠りについた。
程なくしてパラパラと【雨の音】が聞こえてきた。
ただその【雨の音】はどこかおかしかった。まるで耳の中で音がこもっているような。
しかし、「ん?今日雨降るんだっけ?」とか軽く思いながら、目も瞑ったまま再び眠った。
次第に【雨の音】は打ちつけるように強く強くなっていった。
妻に「洗濯大丈夫かー?」と声を出したが、声を出している感覚がない。
周囲の音が全て雨に掻き消されているような、他に音が無い異様な雰囲気だった。
ともすれば、手足が動かず目も開かず金縛りに掛かっていた。
一瞬、孤独の恐怖に駆られた私は「早く解けろ!何が起こってるんだ!早く。早くっ!!解けろっ!」と怒りながら念じていた。
すると、ピタっと【雨の音】が消え、耳元から低い声で、
『ごめん、ごめん。すぐ出て行くわ。』
直後、身体の自由が戻った。
すぐ妻のいるリビングに向かおうとしたとき、何故か廊下は水浸しになっており、妻に話しかけようとしたとき、先に妻から
「あなたさっき玄関開けた?」と。
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- 雨宿りしてたんだすかねー 律儀な霊ですね匿名