
私にはずっと大切にしていたぬいぐるみがありました。ふわふわの毛並みを持つウサギで、名前は「ボンボン」と名付けていました。
妹が生まれるまでは、このぬいぐるみが私の唯一の友達でした。その後、妹と遊ぶ日々が増えるにつれ、ボンボンは押し入れの奥にしまわれていきました。
時は流れ、私は大学生になりました。ある冬の夜、実家に戻ると、久しぶりに地下室を整理することにしました。そこで、何気なく押し入れを開けると、ボンボンが見つかりました。
数年も経っているのに、ボンボンは驚くほど綺麗でした。ただ、なんとなく目が dull に感じました。気にしないようにしながら、私は別の部屋に移動しました。
そのとき、スマートフォンに着信がありました。妹からでしたが、急に不安が襲ってきました。「ねえ、私のこと覚えてる?」という声が聞こえました。妹の声のはずが、どこか違う。まるで子供のような、異様な響きでした。
その瞬間、地下室の方から「ボンボン」と呼ぶ声が聞こえました。振り向くと、ぬいぐるみが微かに揺れているのが見えました。思わず足がすくむと、目の前にボンボンが立っていました。
「やっと思い出してくれた」と、いつの間にか私の後ろに立っていた声が耳元で響きました。私は恐怖で動けず、そのまま意識を失いました。意識を取り戻すと、周囲は暗く、まるで地下室の隅に閉じ込められたようでした。ボンボンが私の腕にしっかりと抱きついており、「一緒にいようね」と囁く声が聞こえました。私はその瞬間、記憶の深いところにしまい込んでいた恐怖が蘇るのを感じました。もう逃げられないのだと。暗闇の中で、彼女の声が繰り返されるのです。「一緒にいよう、ずっと。」
その言葉が私の頭の中で反響し、私は完全にその世界に飲み込まれていきました。ボンボンは、私の記憶の中で生き続ける存在となったのです。もう一度、私を呼ぶ声とともに。暗闇の中で。
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