
長編
夏休みの男の子
匿名 2日前
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そして、その日から男の子と毎日遊ぶようになりました。
私の知らない所に連れて行ってくれたり。
知らない、初めて見る遊びも教えてくれました。
男の子との毎日は凄く楽しく、一日があったいう間に過ぎていき、絵日記は男の子との事でいっぱいになっていました。
ですが、楽しい毎日は終わりを迎えました。
夏休みがもうすぐ終わるので、祖母の家から帰ることになりました。
私はお別れを言うために、男の子との待ち合わせ場所である神社に向かい、お別れを言おうと思い、ずっと階段に腰を掛けて待っていました。
でも、男の子は一向に来てくれず、気が付いたら夕方になっており、私は最後に会えなかったことが悲しくて、大声で泣きながら帰りました。
祖母の家の前で行くと、祖母が泣いている私を見て一言、不思議なことを言いました。
「大丈夫。神様は本当に会えなくなる時にしかお別れは言わんのよ。」っと。こう言ってくれたことは今でもはっきりと覚えています。
まあ、当時の私は祖母が一体何を言っているのか理解できるわけもなく、両親が迎えに来ても、私は泣きながら「最後にもう一回会う!」っと言ってなかなか帰ろうとしなかったそうです。
でも、子供とは簡単な者で、学校に行くなり友達と遊ぶのが楽しくて、すっかり男の子の事は忘れていました。
そして、忘れたまま、19歳という若さで私は結婚をし、20歳の時に子宝に恵まれました。
正直、結婚するにも、子供ができるのにも若すぎて、苦労の毎日でした。
でも、充実した毎日がおくれていました。
そんな去年の、21歳の時の日曜日。
嫁と一緒に娘と遊んでいるときに、電話がかかってきました。
父親からでした。
電話にでてみると、開口一番、おばあちゃんが亡くなったと言われました。
おばあちゃん子だった私は、それが信じられず、嫁と娘を連れて急いで祖母の家まで行きました。
居間に行くと、両親と祖父が横になっている祖母を囲っていた。
私はその光景が信じられなかった。
寝ている祖母に歩み寄り、手に触れると、冷たかった。
そこでやっと私は、祖母が亡くなったんだと、信じざる終えなくなった。
本当は祖母の近くにいてやるのが一番なのだろうが、私は悲しさのあまり頭がおかしくなったのか、嫁と娘、皆を置いて家を飛び出してしまいました。
私はふらふらと無気力に歩いていました。
気が付いたら、あの時。当時と同じように、神社の前にいました。
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- 本当に会えなくなる時しかお別れは言わないって書いてあって最後に男の子がお別れと名前を言ったところめっちゃ感動した良い話ゆーき
- 面白かったです。いい話です。うんこりん
- 娘さんには男の子が見えていたんでしょうね。おもち