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長編

夏休みの男の子

たけ 2019年5月20日
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先に言っときます。 怖い話ではなく、私が体験した不思議な話です。 怖い話を期待されていた方、誠に申し訳ありません。 この話は私が当時7歳の時と、去年21歳の時に体験した話です。 7歳の時、私は田舎にある祖母の家に夏休みの間過ごすことになりました。 祖母の家の近くにあるものと言えば、田んぼに畑、川に山。 本当にこれ位しかありませんでした。 周りには私と同い年位の子は全くいず、私は毎日川沿いを歩いたり、田んぼでアメンボを捕まえたりと、すごくつまらない毎日を過ごしていました。 せっかくの夏休みだ。 私は何か思い出を作らないと絵日記が歩いた事とアメンボだけになってしまうと思い、少し周りを探索することにしました。 どれくらい歩いたかは覚えていない。 気付いたら神社の階段の前にいた。 新しい発見に私はワクワクし、階段を勢いよく駆け上がり鳥居をくぐって神社の前まで来た。 神社の戸の隙間から中を見ると、中には賽銭箱と鐘があった。 中に入ろうと思い戸に手をかけようとしたその時。 後ろから「こらっ!」っと怒鳴られた。 驚いた私は変な声を上げると同時に後ろを振り返ると、私より2才くらい?年上と思われる男の子がいた。 その男のはズカズカと私に近づき、私の手を取り鳥居の前まで引っ張られた。 突然の出来事に私は混乱していた。 でも、男の子はそんな事は構わず、私に神社に来た時のきちんとした作法を教えだしました。 「鳥居の前では一礼しないとだめ」「礼は深すぎず浅すぎず、頭から腰に掛けて一直線になるように」「左足から入る」 男の子に言われるがまま、私はその通りにした。 そして、神社での参拝の仕方を一つ一つ教えられて、一通り終えた後、私と男の子は神社の階段に腰を掛けた。 男の容姿は、白い浴衣のようなモノに、草履?草鞋?って言うんですかね? まあ、少し古い恰好をしていました。 後、男の子の右耳はありませんでした。 でも、祖母が住んでいる田舎では特に珍しい事でもありませんでした。 地元の祭りで。紅白の棒の両端に刃物を取り付け、それを回しながら踊るという祭りがあり。 その祭りのせいでよく耳を落とす人がいたので、私には不思議に感じませんでした。 現に、私の父親も、右耳が少し削れており、祖父も左耳が無いので。 少し話がずれたので戻します。 男の子の喋り方は、どこか年寄り臭く、見た目とのギャップが凄かったのを覚えています。 そして、その日から男の子と毎日遊ぶようになりました。 私の知らない所に連れて行ってくれたり。 知らない、初めて見る遊びも教えてくれました。 男の子との毎日は凄く楽しく、一日があったいう間に過ぎていき、絵日記は男の子との事でいっぱいになっていました。 ですが、楽しい毎日は終わりを迎えました。 夏休みがもうすぐ終わるので、祖母の家から帰ることになりました。 私はお別れを言うために、男の子との待ち合わせ場所である神社に向かい、お別れを言おうと思い、ずっと階段に腰を掛けて待っていました。 でも、男の子は一向に来てくれず、気が付いたら夕方になっており、私は最後に会えなかったことが悲しくて、大声で泣きながら帰りました。 祖母の家の前で行くと、祖母が泣いている私を見て一言、不思議なことを言いました。 「大丈夫。神様は本当に会えなくなる時にしかお別れは言わんのよ。」っと。こう言ってくれたことは今でもはっきりと覚えています。 まあ、当時の私は祖母が一体何を言っているのか理解できるわけもなく、両親が迎えに来ても、私は泣きながら「最後にもう一回会う!」っと言ってなかなか帰ろうとしなかったそうです。 でも、子供とは簡単な者で、学校に行くなり友達と遊ぶのが楽しくて、すっかり男の子の事は忘れていました。 そして、忘れたまま、19歳という若さで私は結婚をし、20歳の時に子宝に恵まれました。 正直、結婚するにも、子供ができるのにも若すぎて、苦労の毎日でした。 でも、充実した毎日がおくれていました。 そんな去年の、21歳の時の日曜日。 嫁と一緒に娘と遊んでいるときに、電話がかかってきました。 父親からでした。 電話にでてみると、開口一番、おばあちゃんが亡くなったと言われました。 おばあちゃん子だった私は、それが信じられず、嫁と娘を連れて急いで祖母の家まで行きました。 居間に行くと、両親と祖父が横になっている祖母を囲っていた。 私はその光景が信じられなかった。 寝ている祖母に歩み寄り、手に触れると、冷たかった。 そこでやっと私は、祖母が亡くなったんだと、信じざる終えなくなった。 本当は祖母の近くにいてやるのが一番なのだろうが、私は悲しさのあまり頭がおかしくなったのか、嫁と娘、皆を置いて家を飛び出してしまいました。 私はふらふらと無気力に歩いていました。 気が付いたら、あの時。当時と同じように、神社の前にいました。 私は階段を上り、鳥居で一礼をしてから、階段に腰かけた。 そして、そこで私は男の子の事を思い出しました。 「あぁ、こんな事もあったな」「なつかしいなぁ」とか、独り言をぶつぶつと言いながら、泣いていました。 すると、頭にそっと、人の手と思われる感触がしました。 大きさからして大人ではない。女の人より小さい手。子供の手だった。 私はふと横を見ると、右耳のない、あの時と同じ格好をした男の子がいました。 階段に腰を掛けて、右手を私の頭の上に伸ばして撫でていた。 男の子は何も言わず。ただじっと、前を見つめていました。 私はその姿を見て大号泣。 どれくらいたっただろうか、ひとしきり泣いた後、男の子は一言私に。 「頑張りな。バイバイ、〇〇」 最後に私の名前を呼び、男の子は消えてしまいました。 その後は不思議とスッキリした気持ちになり、私は本殿の戸を開け、賽銭箱の前に行き男の子に習った通り、二礼二拍一礼をし、「ありがとうございます」っと心の中で言い、帰ろうとしました。 振り返り、鳥居の前まで来た時に、探しに来た嫁と出くわしました。 暑いだろうに、娘を抱いたままここまで来てくれたことに、感謝と申し訳なさがあった。 私は嫁に感謝と謝罪を言った後、帰ろうとした時に、娘が本殿に向かって手を伸ばし「あー、うー」っと何かに興味を示していた。 嫁はどうしたのかと娘に呼び掛けながら、気味悪そうに本殿のほうを見る。 俺も本殿の方を見るが、何も見えないし、何も感じない。 その間にも娘は何かを見てキャッキャと笑っている。 嫁は君が悪いから早く戻ろうと娘を連れて早足で階段を下りて行った。 私は鳥居をくぐった後、振り返り、深すぎず浅すぎず、頭から腰に掛けて一直線になるように礼をし、特に意味はないが。 「嫁が申し訳ありません。娘をよろしくお願いします。」っと独り言をいい、祖母の家に戻った。 以上が私が体験した不思議な話です。 文才が無くて申し訳ありません。わかりづらい部分も多々あるかと思いますが、ご了承ください。

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