
自分が26歳の頃のこと。
自分が住んでいた街は古びたアパートが立ち並ぶ地域で、唯一の高層ビルは地元のシンボルとして知られていた。
そんなアパートの最上階に住む友人が、誕生日パーティーを開くことになった。
その日は秋の夜、薄暗い廊下を進みながら、参加者たちの笑い声と共に、かすかに昔の思い出が蘇ってきた。
パーティーが始まり、いつもの面々が集まって楽しい時間を過ごしていた。だが、一人の友人が遅れていることに気づいた。
彼はお水の店で働いているため、いつも深夜に合流してくるはずだったが、今日はなかなか来なかった。
その時、アパートの外から不穏な音が響いた。
友人の一人が窓の外を覗くと、警察のパトカーが止まっているのが見えた。
「何かあったのかな?」
不安になりながら、友人の一人が外に様子を見に行くと、すぐに戻ってきた。
「屋上から飛び降りた人がいるらしい…。お水の子が第一発見者になっちゃったみたいだ。」
パーティーの雰囲気は一瞬にして冷め、みんなの顔が暗くなった。
友人が取り調べを終え、深夜2時を過ぎて帰ることにした。
エレベーターに乗り込むと、4階で突然ドアが開いた。
そこには、古びた制服を着た少年が立っていた。
その視線はどこか虚ろで、何かを訴えているようだった。
アパートを出て、友人と話をしていると、彼も同じ少年を見たと言い出した。
「確かに見たよね、あの子…」
翌日の新聞には、受験に悩む学生の飛び降り自殺が報じられていた。
記事には、そのアパートが彼の通っていた学校の近くにあることが書かれており、背筋が凍る思いがした。
あの日のパーティーは、楽しい思い出から一瞬で恐怖の記憶へと変わった。
夜の囁きは、まだ耳の奥で鳴り響いている。
そして、あの少年の目が、どこか遠くを見つめているのを思い出すのだ。
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