
(「少女を連れて散歩し、ボートに乗った」の続き)
・・・
翌日、その日も晴天だった。
駿河湾の海岸線を走る黒いワゴン車。
大村が運転し、後部座席に古川と桜子が座った。
桜子は白のトップスに青のスカートの可愛らしい格好で、全て古川たちが用意したものだった。
首にはチョーカーをつけていたが、桜子の可愛らしい服装に溶け込みファッションの一部のように見えていた。
「どうですか?桜子さん。」
「綺麗な海だね!車の運転も疾走感があってすごくいい。」
大村はぼそりと
「可愛い奴だな・・」
車は久能山辺りの海岸を清水の方角に走っていた。
「ねぇ、これからどこに行くの?」
古川は「どこというわけじゃないんですが、天気もいいし車でどっか行かないかなって。」
桜子は「そっか。なんか面白いね!」
そして、車で沼津の千本松原辺りに来た。
駐車場に車を止めて歩いて行く。
そして、他の観光客とともに松原を散策する3人。
30代後半の男と男子高校生と女子高生、親子連れには見えないアンバランスな3人だった。
まさか誘拐犯と被害者とは誰が思うだろうか・・。
桜子はチョーカーを身につけたままだったが、それに違和感を感じる人はいない。
古川もそれを感じ、桜子にチョーカーという首輪をしながらも人前に連れて行けることに奇妙な快感を感じていた。
他の観光客もたくさんいるなかを歩いて行く3人。
「やっぱり、人が多いね!」
「まぁ、夏休みで天気もいいですからね!」
古川が言った。
そして、桜子は砂浜の松の木の下に座り海岸を見つめていた。
古川は何か買いに行き大村が桜子を見てみた。
近くには人もいるが、桜子は全く逃げようとしたり助けを求めたりはしなかった。
大村も桜子を念の為みているくらいで警戒心はあまりなかった。
因みに桜子の身につけているチョーカーには発信器や盗聴器などはなく、自分で取り外せないことを除けばただの飾りだった。古川はそのことを桜子に敢えて伝えてなく、チョーカーに何かあるのではと桜子に感じさせて逃げられない意識を持たせる意味合いもあった。
そんな桜子はときどきチョーカーを気にするように軽く弄っていた。
そして、古川が戻ってきた。
「はい、どうぞ!」
ソフトクリームを桜子に差し出す古川。
「あ、ありがとう!」
古川も同じソフトクリームを食べ、クールな感じの大村もソフトクリームを食べているのが桜子には面白く感じた。
桜子は少し微笑みながら
「古川って、優しいし案外いい人だよね。」
後日談:
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