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短編
内側へ向く足跡
内側へ向く足跡
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内側へ向く足跡

1ヶ月前
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そのアパートには、昔から奇妙な決まりがあった。

夜中に廊下で足音を聞いても、絶対にドアを開けないこと。

管理人から直接そう言われたわけではない。ただ、入居者同士で自然と共有されている暗黙の了解だった。

理由は誰も詳しく語らない。

「開けた人が、すぐ引っ越した」とか、「部屋が空いたまま戻らなかった」とか、曖昧な話ばかりだ。

ある晩、午前三時過ぎ。

眠りが浅かった私は、廊下を歩く足音で目を覚ました。

裸足が床に吸いつくような、湿った音。

一歩ずつ、こちらへ近付いてくる。

足音は、私の部屋の前で止まった。

次の瞬間、ドアノブが、ゆっくり回された。

鍵は掛かっている。

それなのに、確かめるように、何度も何度も回される。

息を殺して布団の中で縮こまっていると、

ドア越しに、低い声が聞こえた。

「……いるのは、分かってる」

声は、私のものだった。

その瞬間、頭の中で、はっきり理解した。

廊下にいるのは、誰かじゃない。

今、布団の中で息を止めている「私」ではないほうだ。

ドアノブが止まり、足音が離れていく。

ようやく朝になり、意を決して廊下に出た。

床に、濡れた足跡が残っていた。

裸足の形で、途中まで続き、

私の部屋の前で、ぴたりと終わっていた。

その向きは、外ではなく――

ドアの内側へ、入っていく方向だった。

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幽霊より人間が怖いタイプです。

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