
中編
飛び降り自殺
匿名 2020年4月1日
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僕が生きてた中で一番怖かった話を一つ紹介したいと思います。高校生の夏休みに僕は一人で都会に行くことにしました。その場所は、夏休みになってから絶対に行きたいと思っていた場所でした。
そこでの目的は、街をふらついたり、タピオカを飲んだり色んなことをする予定です。
そして夏休みになりました。僕は初日に行くことにしました。
その時の恍惚感が今でも忘れられません。
都会といっても電車で2時間くらい乗っていれば着く所です。
すぐに切符を買い、電車が来るのを待っていました。
すると、
「死にたいよー」
という声がどこからともなく聞こえてきました。
僕は気になり周りをキョロキョロと見渡しました。
(まぁ、気のせいだろうな。)
そう自分に言い聞かせ、電車が来るまでスマホゲームをしていました。
しばらくたった頃のことです。僕はある一人の女性に目をやりました。
(ん?なんだあの人は?)
その女性は至って普通なのですが、表情が暗いと言いますか、とても何か良からぬ雰囲気が漂っていました。
(なんなんだアイツは?)
と思っていました。
と同時に電車が来ました。
電車に乗ったのはいいのですが、あの女性も僕と一緒の席に座る形になってしまいました。とは言っても僕と女性は少し離れているだけで無視していたらいけるんじゃないかと思っていました。
ですが、
「死にたい死にたい死にたい死にたい」
とブツブツ言っていました。
(やっぱり気のせいじゃなかったか。)
あと2時間辛抱すればこのヤバい雰囲気を持っている女性と離れる事ができます。
(早くついてくれぇぇぇ!)と心の中で叫んでいました。
おそらく2時間経ったのでしょう。
やっと目的地に着いたのです。
僕は、少し早足で電車から降りました。
そして切符を入れそそくさとその場から離れました。
その後は何事も無かったかのように僕は街歩きをしたり、タピオカドリンクを買って飲んだり、色々と楽しんでいました。
(よし、あと1時間くらいしたら帰ろうか。)と思っていたその時です。
「キャー!」
という悲鳴が聞こえてきました。
僕は、何事だ!と思いながら悲鳴のした方へ振り返りました。
そこには、ある建物の屋上に、あの女性が立っていました。
しかも何か叫んでるように聞こてます。
すぐに人集りができてしまいました。
その中に、警察官が数名がもう女性に説得をしている状態でした。
(アイツ、まさかなぁ・・・)
困り果てていたその時です。
「ぐぎゃがやぎょびゅよ!」
と女性は叫びながら建物から飛び降りたのです。
辺りは騒然としました。
「うわー!」「ぎゃー!」「飛び降りやがったぞー!」「アイツヤベェよ!」
と叫びながら散り散りに逃げ出しました。
僕もどさくさに紛れて逃げました。
その後の事はよく覚えていないのですが、
僕はいつの間にか自分の寝室で寝ていました。
「あの女、ガチでヤバかった。」
と呟きリビングに降りました。
テレビをつけ何か面白い番組でもやってないかとチャンネルを回していました。
その時です。
「今日昼頃〇〇県〇〇市で飛び降り自殺が発生しました。」
(げ。嘘だろ。)
「自殺した人は女性のようです。」
あの女のことだろうなと思いながらニュースを見ていたその時です。
「うぎゃがぐがゃ!」
という叫び声が聞こえてきました。
(何だ!?)
アナウンサーが再び言いました。
「えぇ遺書のようなものが見つかりました。」
(遺書?)
「とても残念なニュースです。」
するとアナウンサーが突然何者かに乗っ取られたかのような口調で話し出しました。
「電車で私の事を見ていた男が憎い!」
僕はビクッとなっていました。
その後は何も悪い事は起きていません。
あの女を見ない方が良かったと今でも後悔しています。
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