これは今から10数年前、私が保育園に入っていたころ体験した、本当の話です。 　その日、私は妹と一緒に祖父母の家でお泊まりをすることになっていました。いつものお泊まりの時はおばあちゃんと一緒の布団で寝ていたのですが、今回は妹もいるということもあって、隣ではあるものの、別の布団を用意してもらって、そこで寝ていました(妹はおばあちゃんと一緒の布団で)。 　そして、布団に入ってから何時間経ったのか、私は突然目を覚ましました。当然周りは真っ暗。 なのに玄関からドアが開く音がしました。私はその時寝ぼけていたので、隣の布団で寝ているおばあちゃんに(おばあちゃんはとても眠りが浅く、少し声をかけるだけで起きてしまいます) 「おじいちゃんが散歩から帰ってきたの？」と聞きました。しかし、おばあちゃんは「違うでしょ、こんな時間に外になんか出ないよ」と言い、また寝てしまいました。その返事を聞いた私は、「え、じゃあ、誰…」と、少し怖く感じていると、私達が寝ている部屋の隣に、人影が見えました。その人影は、長い黒髪に白い服、顔はよく見えず、とどめに足がなく、ふわふわとした動きで移動していました。典型的な幽霊の姿です。 　もちろん私は怖くなり、布団に潜り込みました。するとその幽霊は私達が寝ている部屋に入って来て、なんと私が入っている布団の横に移動したのです…！相変わらず顔は見えませんが、とても怖かったです。その幽霊は私に話しかけたりせず、ただじーっと見ているのです。私は布団に潜っていたとき恐怖で冷や汗をかいていて、とても痒かったのですが、「動いたら起きてることがバレてしまう！」と思い、身動きひとつ取れませんでした。それから何十分たったのか、幽霊はスッと私の横から立ち去り、途中で隣の部屋の隅をぐるぐるした後、玄関のドアから出て行きました。 　私はその後おばあちゃんの布団に入り、ブルブル震えながら夜を越しました。 　あれから十数年経ちますが、あの幽霊がなんだったのか、未だに分かりません。