
長編
灰色の森
匿名 15時間前
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た。
さらに少しずつ後ずさり続けると、ニチャッ、と何か液体のような物に肘が触れた。首はなるべく動かさないように、目だけを使って肘を突いた地面に視線を向けると、黒い水溜まりのような物があった。この粘り気。確か、ここは彼が立っていた場所。暗くてよく分からなかった為にさらに目を凝らすと、それは“黒”ではなく、“赤”だった。
血!?彼の、血!!?
一気に恐怖が私の全てを染め上げる。
「ヒィィィィ!!」私の悲鳴に、謎の生物がビクリと反応する。
さっきの生物は、彼に何かをしたの!?じゃあ、今私の目の前にいるこの生物も、私の事を…!?
私は仰向けの状態から身を翻し、手と膝を突き這い這いで逃げ出した。後ろに生物が近づいてくる足音が聞こえる。
このままでは捕まる!私は低い姿勢のまま腰を浮かせ、開かれていた扉からビルの中に一気に飛び込んだ。
が、右足首を掴まれ、凄まじい力で無理矢理ビルから引きずり出された。パキッと言う弱々しい音がし、足に激痛が走り全身に鋭い衝撃が駆け巡る。「あ”あ”あ”あ”あ”あ”!!」喉が焼けるような絶叫が溢れる。すねの骨が折れた。意識が飛びそうになる。
生物は軽々と私を持ち上げ逆さ吊りにし、まるで弄ぶかのように、感情のない無表情で私の顔を覗き込む。その顔は、やはり人間そのものだった。だが、黒い瞳が無い。淀んだ白のような、或いは濁ったミルク色のような、何とも言えないくすんだ色の眼。
私は掴まれていないもう片方の足の靴の踵で、その生物の顔を思い切り蹴った。途端に生物は手を離し、私は堅い地面の上に放り出された。頭を地面に打ち付けてしまったが意識が飛ぶ事はなく、すぐに状態を起こす。やはり右足に凄まじい激痛が走る。堪らず短く悲鳴を上げる。
蹴られた顔面を両手で覆い、その姿に似合わぬキューキューと高く細い声を上げながら大きな身体をくねらせ悶絶している生物を目にし、逃げるならば今しかないと、折れた足を引きづりながらドアノブを掴んで急いでビルに入り、勢い良く扉を閉じ鍵を締めた。扉に付いた磨りガラスの向こうでは、まだ生物がもがいている。
とにかく逃げなくちゃ。信じがたい恐怖を体験した事で、先程まで死のうとしていた事など忘れてしまった。
階段を一段、また一段と下りる度に、激しい痛みが襲う。
あの生物は、一体何?人間のような、猿のような…。あんなモノがこの都会に生息しているなんて…。
彼は?彼はどうなっ
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chat_bubble コメント(6件)
- オリジナルなら先に書いて欲しいです 読む時間が、ムダ…陸奥
- 草( ´_ゝ`)
- えっと・・・怖い話なんだよね?a100-7
- 載せるとこ違います。あ
- 宝塚の人?・・・
- イミフ。何、この身勝手女のバカな話。 胸糞