
長編
灰色の森
匿名 13時間前
chat_bubble 6
74,533 views
いだって、これからまだまだ沢山あるだろう!」
月並みのセリフ。どこかで聞いたセリフ。どうしてそんな事しか言ってくれないの?もっと、何か特別な、私だけの為の言葉があってもいいんじゃないの?
そこまで思い、ふと気付き、私は目を見開く。
エゴだ。これは私のエゴなんだ。アナタを想っていながら、結局私は自分の事ばかりだ。本当に私はどうしようもない。これ以上、アナタに迷惑は掛けられない。やはり、死ぬしかない。せめて、アナタの心に留まるように、今すぐにでも。
私は再び格子の方へ向き、手を掛け乗り上げる。
後ろから「やめろ!」と彼の頼もしい声と、駆け寄る足音が聞こえる。
今、アナタの言葉は私だけに向けられている。もう特別な言葉じゃなくても構わない。嬉しい。アナタの声を聞いて、最期を迎える事が出来る。
「ありがとう、アナタを愛しています。さよなら…」
「止せ!わかった!わかったから、やめてくリュベッ!」語尾に奇妙な声を発し、その言葉は唐突に途絶えた。
一体どうしたのか。静けさの中に、小さくヌチャヌチャという音が聞こえる。
私は一旦格子を乗り越えるの止め、首だけで後ろを振り返る。
彼は首を45度程右に傾け、地上より1m程の高さで宙に浮いており、その後ろには大きな黒い影があった。
え?
そう思った途端、彼は黒い影と共に高く飛び上がり、ビルの裏側へと落ちていった。
私は唖然とし、格子から乗り出した身を下ろす。たった今、目の前で起こった事が理解出来ず、言葉を無くす。
すると、ダンッ!とすぐ傍で大きな音がすると同時に、僅かな月明かりと街の光を遮り、私に影が差した。
驚いてその方を向くと、全身を毛に覆われ、長い首と手を持った猿のような巨大な生物が、手と足で器用に格子を掴み、その上に乗っかっていた。そしてその長い首の先端に付いたまるで人間のような顔が、私の事を見下ろしている。
「キャァァァ!!」私は悲鳴を上げ、背中から後ろに転んだ。強い衝撃を受けたが、すぐに乱れた視点を生物に戻す。やはり奇妙でおぞましい姿をしている。倒れたままの体勢で肘を使って後ずさると、その不気味な生物は巨大な身体から長い足を伸ばして格子からのっそりと下り、私を品定めするかのように左右交互に首を傾けている。
落ち着いて、落ち着いて。大丈夫、何もしてこない。このまま後ずされば、もうすぐ扉にまで辿り着く。そう自分に言い聞かせ、なんとか平静を保っ
この怖い話はどうでしたか?
chat_bubble コメント(6件)
- オリジナルなら先に書いて欲しいです 読む時間が、ムダ…陸奥
- 草( ´_ゝ`)
- えっと・・・怖い話なんだよね?a100-7
- 載せるとこ違います。あ
- 宝塚の人?・・・
- イミフ。何、この身勝手女のバカな話。 胸糞