
長編
灰色の森
匿名 3時間前
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の。
奥さんからアナタを奪いたい訳では…。いや、それは…、正直わからない。ただ…。
アナタの特別な存在になりたい─────
私は本当に“馬鹿”だ。
ある事をして、彼の注意を引く事を思いついた。心が疲れ過ぎていたせいか、物事の判別がつかなくなっていた。そのあまりにも幼稚で愚かな方法を、迷いもせず実行に移す事にした。
いつも通り出勤し、皆が退社した後、私は会社のあるビルの屋上で、彼がやって来るのを待っていた。正直、来てくれる保証などはない。
これから大それた事を行う。緊張はしているが、妙に意識がぼんやりとしている。彼の事ばかりを考え過ぎて、その上寝不足で頭痛が酷い。
屋上から見る夜空には、点々と小さく星が瞬いている。久しぶりに見る月は、濃いオレンジ色で中途半端に欠けており、全く美しくない。吹き抜ける風は少々強く、また少し肌寒い。
私の胸の高さ程ある格子に両手を置き、眼下に広がる夜の暗く灰色のビル群と、その間を抜ける車の明かりを眺める。ハァと長めの溜め息をつく。
すると、遠くに見えるビルと隣接するビルの上を、飛び移る何かの影が目に入った。
ん?なんだろう?コウモリだろうか…。
都心でもコウモリは生息している。昼間はどこにいるかは知らないが、夜になるとビルとビルの間を飛び交う姿は時々目にすると聞く。しかし、今私が見たモノは“飛んでいる”では無く、“飛び移る”姿だ。それに、距離的に考えてもその大きさは、コウモリよりも遥かに大きいように思える。例えるなら、『猿』に近いかも知れない。確か昔、どこかで飼育されていた猿が逃げ出し、都心を駆け回ったとニュースになった事があったっけ。
でも、それよりもっと…。
そんな事を考えていると、後ろでカチャリと扉の開く音がした。
来た!来てくれた!
嬉しさと緊張で気持ちが高揚し、瞬時に身体の体温が上がる。
振り返ると、そこには不安と困惑に瞳を揺らませている彼がいた。
無理もない。私は今朝、彼のデスクにこっそりと置き手紙を残していた。内容はこうだ。
“みんながカエったら、おくじょうにきてください せめてワタシのおもいをみとどけてクダサイ”
「馬鹿な事は止めさない!」彼が叫ぶ。
そう、私は“馬鹿”です。分かっています。
「スミマセン…、でも、苦しくて…、苦し過ぎて、もう限界です」
「だからって、何も死ななくてもいいだろ!君はまだ若いんだ。素敵な男性との出逢
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- オリジナルなら先に書いて欲しいです 読む時間が、ムダ…陸奥
- 草( ´_ゝ`)
- えっと・・・怖い話なんだよね?a100-7
- 載せるとこ違います。あ
- 宝塚の人?・・・
- イミフ。何、この身勝手女のバカな話。 胸糞