
長編
灰色の森
匿名 5日前
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を、もう片方の震える手で握りしめる。首元が熱くなり、薄らと汗が滲み出す。
すると不意に「まだ帰らないのか?」と彼が声を掛けてきた。一瞬身体がビクリとなり、私は慌てて「あ、いえ…」と返事をする。彼は小さく頷き、「僕が鍵を閉めるから、帰宅の準備が整ったら声を掛けてくれ」と優しい笑顔で言う。
“帰らなきゃ”、そう思った。しかし、その思いとは裏腹に、私は勢い良くオフィスチェアから立ち上がり、「あのっ!」と彼に声を掛けていた。意図しない事に、自分で自分に驚いた。
!?待って!私は何をするつもり?
…、でも…。
ダメッ!絶対ダメよ、そんな事!
私の中で葛藤の嵐が巻き起こる。どんどん早くなる鼓動に、呼吸が追いつかない。
彼が真っ直ぐな眼差しで私を見つめ、次の言葉を待っている。
その瞳を見た途端、私の頭の中が真っ白になった。
どのように、どんな言葉で伝えたのか、案の定、私はフラれてしまった。
分かっていた。アナタは、本当に奥さんと子供を愛している。別にアナタを試すつもりではなかったけれど、どうしても想いを打ち明けずにはいられなかった。
その後、私はどうやって帰宅したかは覚えておらず、布団にくるまって一晩中泣き明かし、翌朝を迎えた。
彼に会う事が怖くて、その日は会社を休んだ。流石に無断で休む事ははばかられ、言い訳として仮病を使い、電話を切った後、ようやく泣き疲れて眠りに落ちた。
さらに翌日、私は自暴自棄になる事はなく、なんとか出勤すると、同僚達は心配そうに声を掛けてきてくれた。彼は私の仮病を見抜いているだろうにも関わらず、「大丈夫か?」と優しく言い、普段となんら変わらず、いつも通りの態度で私と接してくれた。
私は動揺した。
やはりアナタは大人だ。どうしてそんなに優しいんですか?私を子供扱いするんですか?私の想いを、ただの憧れや気まぐれ程度にしか思っていないのですか?アナタの優しさは、返って私を苦しめます。
一瞬涙が溢れそうになったが、なんとか堪え、私は自分の仕事に従事した。
その後も、彼への想いや苦しさは消えるわけでもなく、私の心は徐々に“闇”の中へと彷徨い出した。
どうしたら…、どうしたら振り向いてくれるのだろうか。
アナタの事を知りたいけれど、ストーカーにだけはなりたくない。アナタの奥さんや子供にだって、危害を加えるだなんて事は出来はしない。そんな卑怯な事をしたって、アナタが傷つくだけだも
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- オリジナルなら先に書いて欲しいです 読む時間が、ムダ…陸奥
- 草( ´_ゝ`)
- えっと・・・怖い話なんだよね?a100-7
- 載せるとこ違います。あ
- 宝塚の人?・・・
- イミフ。何、この身勝手女のバカな話。 胸糞