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中編

人生初の金縛り

匿名 2021年3月8日
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高校生時代の実体験なのでもう12~13年前の話になります。 文化祭前日、吹奏楽部に参加していた私は、自分のクラスの出し物の準備と 演奏舞台の設営を終えて帰宅しました。 まだまだ残暑厳しい9月の作業で疲れ切っていた私は 明日の準備や、風呂にも入らなければいけないと思いつつも 強い睡魔に襲われて20時から2時間くらい仮眠して そこから色々片付けようと思いました。 2時間後、予定通りに目覚め 準備を済ませ、入浴も終わらせましたがその頃にはすっかり目覚め 逆に眠れなくなってしまったのでした。 読書したり音楽を聴いたり 色々と時間をつぶしましたが、1時、2時となってもさっぱり眠気が訪れません。 3時を過ぎた頃、さすがに眠れならければ明日が困ると 眠れなくても目をつむっておこうとベッドへと入りました。 体感としてはそれから2,30分、ようやくうとうととしてきて 自分が眠っているのか起きているのか分からなくなり始めたとき 誰かが階段の段差へ足を乗せる音が聞こえ、私の意識はまたはっきりと覚醒してしまいました。 私の家の階段は、まっすぐ上り終えると正面が窓で左右に私と弟の部屋があります。 弟は眠りが深く寝起きも非常に悪いため、寝るときは二階の自室を使用していません。 今登ってくる人物に用があるとすれば私しかないはずです。 時々私が電気をつけたまま眠ってしまって、トイレに起きた母親が消しに来たりするので なにかを誤解した母親が登ってきたのではないかと思いました。 せっかく眠りかけたのに…と思いながら目を閉じたまま 「誰や?」 と声を出しましたが、自分の口から聞こえたのはうめき声に近い声でした。 あれ?寝ぼけてるのか? と思う間もなく、階段を登る音が。 もう一度、今度ははっきりと 「誰や?」 と発声したつもりでしたが、やはり聞こえてきたのはうめき声 ここで初めて自分が金縛り状態にあるという事に気づきました。 人生初の金縛りを今でもよく覚えています。 仰向けに寝ていた私には首まで薄めの掛布団がかかっていました。 その首の布団を境にして、顔は高熱が出たときのように熱く火照っているのに 首から下は、布団に入っていて良かったと思う程冷たく感じました。 軽くパニックになった私に三度目の階段の音がしました。 それまでは一段ずつだった足音が タタン…タタン…とゆっくりとしかし心なしリズミカルに二段ずつ足をかけているような音に変わったのです。 その音に、ぞっとしました 私以外、眠りが深い家族がこんな深夜帯に調子をつけて階段を上がってくるはずがありません。 家族以外の何かが、金縛りの私しかいない二階に上ってきている… 焦っても動けないことに変わりはありませんでした。 目だけは何とか開きましたが、階段に繋がる入口の扉が見えるだけ。 必死に体を動かそうとしながら、頭の中ではご先祖様に祈ったり階段を上がってくる何かに 「何処か行け!」 と念じるしかできませんでしたが、それもむなしく音は上がってきます。 毎日の上り下りする階段ですから音の感じでどのあたりにいるかが分かります。 階段の中ほどを越え、3分の2を越え ついに音は一番上までたどり着きました。 あとは何かが横を向いて扉を開けるだけです。 ギィ… と扉のあく音がしました。 が、私の部屋の扉は動きません。 扉の音は弟の部屋のものでした? 「え?そっち?」 と心の中で思った瞬間、 トン! と人差し指で扉を叩いたような音が私の部屋の扉を鳴らしました。 その音をきっかけに体の自由が戻ってきました。 自由が戻っても、じっとしたまま扉を見つめました。 様子を見ている、と言うよりは金縛りが解けても何がいるのか怖くて動けなかったというのが正解です。 しかし、それから何の物音もしなくなり 15分ほどたった後、意を決して扉を開けても 向かいの弟の部屋を覗いても誰も何もいません。 近くの道路から新聞配達のスクーターの音が聞こえて 自分が知っている世界に帰ってきたような気がしました。 朝、家族に聞いても 何の音もしなかったというばかり。 今となってもあの経験が何だったのかは分かりません。

後日談:

  • 冷静になって思い返すと、一度弟の部屋を開けてから私の部屋の扉をノックしたという事は 完全にフェイントをかけてきたという事で 少し腹が立った事をよく思い出します。

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