
大学生のAさんは、ある山間の村から来た友人の話を聞いた。彼の実家には、特別な儀式が伝わっているという。それは、毎年冬の最初の雪の日に、家の外に出て雪を一度踏みしめ、夜寝る前に「出て行ってください、お願いです」と唱えるというものだ。Aさんはその話を聞いて興味を持った。
その儀式の日、Aさんの友人は雪が降りしきる中、外に出た。雪は冷たく、まるで彼の心に何かを忍ばせるような感覚を与えた。友人は親にその儀式の意味を尋ねると、それは厄を払うためのものであり、1年間無事に過ごせるようにするためだと教えられた。村の人々は皆、この儀式を守っていた。
友人は大学に戻ると、仲間たちにその儀式について話した。「昨夜、雪を踏む儀式をしたから、寒くてたまらなかったよ」と言うと、仲間たちは驚いた。「え?そんなことをするの?」と彼の言葉に戸惑っていた。どうやら彼の村だけの慣習らしい。
その翌日、友人は大学のサークルの新年会に参加した。帰宅後、疲れた体を引きずりながら、彼はすぐにドアを閉め、電気を消してベッドに入った。すると、暗闇の中で何かの気配を感じた。ベッドの脇に立つ影、見ればそれは男の子のようだった。彼は背中を向けており、その年齢や顔はわからない。
男の子は何かを背負おうとしているように、屈んでいた。Aさんはその瞬間、昨日の儀式を思い出した。「出て行ってください、お願いです」と何度も繰り返し唱えたが、彼は動かない。男の子は何度も出ようとしたが、ドアは閉まったままだった。どれだけ願っても、男の子は部屋から消えなかった。
結局、Aさんはそのまま眠りに落ちてしまった。翌日から彼は次々と体調を崩し、大学に通えなくなってしまった。周囲の人々は心配したが、彼は何も語らなかった。ただ、次の冬が来るまで彼はその儀式を行わなかったため、彼の健康は損なわれてしまった。やがて、再び儀式を行った時には、彼は無事に回復したという。
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