
長編
いる
匿名 2015年11月8日
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これは私が体験した話です。
私には兄、母、病気の父、祖母がいました。私の実家は田舎で昔からあるような古いつくりのものです。
小さい頃の記憶はありませんが、祖母が言うには、私はよく台所の隅、階段の下に向かって「あそこに女の子がいるよー」などといっていたそうです。昔から家には霊がいたようですが生活に影響がでるわけではなく、 ただいるだけといった悪い霊ではないようでした。
高校生になり霊感は一切なくなり、普通の日々を送っていました。しかしある出来事がきっかけで恐ろしい体験をすることになりました。
5つ上の兄は社会人になり、ある日友達数名と地元ではかなり有名な心霊スポットにいきました。その中には霊感が強い友達(Aさん)がいました。
その場所に着くなりAさんが「やばい、手ありすぎ無理だろ」と言ったそうです。
そして全員が謎の笛の音を聞いたそうです。
Aさん「やばいやばいやばい、無理だ!!早く車乗れ!!」
兄「は?なに、なんかいる?!」
Aさん「や、ちょ、はやく!はやくしろ!!!!」
もうパニック状態のAさんを見て慌てて皆車に乗りこみ、そのまま帰ってきたそうです。途中Aさんは頭を抱えながら、「まぢかよ、、何体か憑いてきた。」とつぶやいたそうです。
そんな出来事から、我が家では不可解なことが頻繁に起こりました。
ある夜私はインターネットで調べものをしていました。すると廊下のほうから足音が聞こえました。ハッキリと。
「パタパタパタパタパタパタ」
小さな子供が裸足で走るような音です。
廊下の突き当たりのほうに行く1回の音だけで、確認しにいくのも怖くその日は急いで部屋に戻り布団に入り朝を迎えました。
それから数日後、Aさんが訪ねてきました。Aさんの家では何も起こってないようで、兄を心配してきたようでした。
家に入ってくるなりAさんは「やっぱ何体か憑いてきたな。。」と言いました。
数時間後兄とAさんが奥の部屋からでてきました。
Aさん「ぢゃ、そろそろ帰るわ」
兄「おう、玄関までおくるわ」
そう言ってTVを見ていた私の後ろを通り廊下へ出て行きました。
しかしすぐに
「ドタタタタタタタタ!!!!!」
青ざめた顔のAさんと、何事かといった表情の兄が戻ってきました。
Aさん「1番やばいのがいた。片足引きずった女!」
私は背筋が凍りました。
(すぐそこの廊下にいる‥‥‥‥)
Aさん「まぢ気をつけろよ!」
そう言い残し裏口から帰っていきました。
それから数週間後、
夏祭の夜のこと。私と祖母以外でかけていて、私はあいにく夏風邪をひいてしまい、いつもの部屋でボーッとTVを見ていました。すると急に寒気がしてTVの音が遠くなった感覚を覚えました。熱でおかしいのかな?と額に手をあて目を閉じた瞬間。それは聞こえました。
「カカカカッ、カカカカッ、」
(‥‥‥‥‥‥?)
「カカカカッ、カカカカッ、」
(何の音だろう‥‥?)
「カカカカッ、カカカカッ、」
3回目くらいだったでしょうか。その音の正体と聞こえてきた方向に気づいたのは。
それは爪で小指から人さし指にかけて連続してゆっくりガラスを叩くような音。そしてそれが今自分がいる部屋と廊下の間の曇りガラスがついたドアのほうからだと気づきました。その瞬間体が固まって動けませんでした。
(やばいやばいやばい!)
「カカカカッ、カカカカッ、」
「ガラッ!」
(‥‥‥!!!)
「ただいまー!」
玄関を勢いよくあけ姉達が帰ってきました。途端に音はやみました。その日は姉達に救われた。と思いました。
そんな体験をしてからひと月くらいたった夜。長座布団を敷きゴロゴロしながら、TVを見ていてそのまま、その部屋で寝てしまった私はふと夜中に目を覚ましました。すると体が動きません、金縛りにあいました。その瞬間前の出来事が頭をよぎり、ふと廊下側を横目で見ました。するとまだ残暑が残り暑い季節だったせいもあり、部屋と廊下との間の扉が開いたままになっていました。
(やばい!!!)
ギュっと目を閉じ早く朝に!と願いました。しかしそれとは裏腹に足元にズシッと何かが乗った感覚がしました。
(‥‥‥いる。)
その重みは足から膝に、膝からお腹あたりに、お腹から胸に。どんどん上がってくるのがわかりました。
(絶対目を開けちゃダメだ!)
目を強く閉じ祈っていると、何かが頬にスルーッとあたり、その拍子に目を開けてしまいました。
目の前には目が2つ。
真っ暗なのにハッキリと見えました。
見た瞬間に「キャー!!」と飛び起き、金縛りから一気に解放されたせいかすごい勢いで前に転がりました。
そしてふと考えわかるとゾッとしました。
(そういえば部屋の中がわかるくらい暗くはないしさっきは何であんなに暗闇の中で目だけがハッキリと‥‥?)
その女は私に乗り顔のまわりが暗くなるくらいの長い髪をたらし私を見つめていたのです。
これが私が体験した話です。
その後父が病気でなくなり、なぜか不可解な出来事が起こらなくなりました。父が連れってくれたのでしょうか。それとも‥。
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