
中編
大叔父のメッセージ
けいすけ 2日前
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今回は私が6年前に体験したお話です。
其れは夏の日の午後にお昼寝をしていた私が見た不思議な夢のお話です。
お昼ご飯を食べて普段の仕事の疲れから私は横になると直ぐに眠ってしまいました。
自宅が山の中で涼しいので網戸からは涼しい風が入って来ました。
頭を撫でられるような…優しく涼しい不思議な風だったのを覚えています。
やがて、私はある夢を見ました。
木造の家の縁側で幼いおかっぱ頭の女の子と現在の中学三年生位の男の子が仲良く遊んでいる姿を私は眺めていました。
しかし…そんな微笑ましい光景が一変すると、場面は木造の古い駅に変わります。
「おじちゃんが帰って来る頃は○○子は小学生だなぁ。鞄はおじちゃんが買ってやるから其まで立派なお姉ちゃんになれるようにいい子にするんだよ。」
優しい笑顔で男の子は幼い女の子の頭を撫でていました。
女の子は「うん‼おじちゃんが帰るまでいい子にする。」…と無邪気な可愛い笑顔で答えていた。
それから直ぐに万歳三唱に送られ男の子は汽車に乗り込む。
其処で又、場面が切り替わり私は光の中にその男の子といた。
「おっ、もしかして○○子の孫か。そっか…あんな小さかった○○子が無事大人になってこんな可愛い孫娘をみたか。良かった。下らない事で喧嘩している奴等に伝えてくれ…戦争で大切な人を亡くす痛みは全世界同じだよ。だから下らない責任の擦り付けあいは見苦しいからやめにして笑って生きろ‼ってな。」
私の頭を撫でながらそう言われた。
其処で夢は終わった。
起きると何故か私は涙を流していた。
「あら…どうしたの、栞?怖い夢でも見てしまったかい?」
「違うよ。でもね、今不思議な夢を見たんだよ祖母ちゃん。」
…私が見た夢の話を聞いた祖母は教えてくれました。
「祖母ちゃんの叔父さんに当たる人がね、私が小さい頃に沢山遊んでくれた優しい人だったけどね、戦争に行ってしまってそれっきり二度と会えなかった。優しい笑顔と頭を撫でられた優しい感触は忘れない。頭が良くて手先が器用でね…素晴らしい人だった。叔父さんが戦争に行って暫くしたら叔父さんの両親が泣いていたし小さい箱が届いたから…叔父さんを送り出した姿が最期だった。」
因みに夢の中に出て来た古い木造の駅は昔の地元の駅と同じだった。
その日の晩の夢に大叔父が出て来てくれた。
私が叔父さん‼と呼ぶと優しく微笑み言った。
「○○子の事大切にしてくれ。頼んだよ。沢山うまいもの食べて沢
後日談:
- 毎年のようにこの時期に大叔父さんが出て来てくれるのでお話をしました。
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