
俺が大学生の頃、サークル仲間と遊びに出かけた冬の夜のこと。遊びに行くつもりで、特に目的地も決めずに車を走らせていた。
その日は、A、B、C、そして俺の四人で、話題は恋愛やバカ話で盛り上がっていた。ふと、昔話の心霊スポットを思い出し、寂れた遊園地に行くことに決めた。
その遊園地は、長い間放置されていて、木々に覆われた古びた遊具が残っていた。雪が薄く積もる中、月明かりが不気味に照らしている。懐中電灯を手に、恐る恐る中に入ると、錆びたメリーゴーランドや、倒れた滑り台が見えた。どこか懐かしさを感じつつも、背筋が寒くなった。
しばらく探検していると、俺たちは出口に向かおうとした。すると、視界の端に人影が見えた。まるで誰かが電話をかけているように、薄暗い場所で立っていた。
「おい、あそこに人いるぞ」とAが指差す。
その人影は、白いジャケットを羽織った男で、反対側に立っている俺たちに手を振っていた。「あれ、乗せてほしいんじゃないか?」とBが言ったが、俺たちの車はもう満員だ。
「助けてあげようぜ」と俺が言ったが、その瞬間、Cが急に叫び始めた。「早く!逃げろ!」
何が起こったのか理解できず、俺は慌てて車を発進させた。車内は異常なほど静まり返り、誰も言葉を発しなかった。
コンビニに着くと、Cが震えながら言った。「あの男、手にナイフを持ってたんだ!」と。俺たちは驚愕した。あの人影が近づいてきたら、どうなっていたのか想像するだけで身の毛がよだつ。
その晩以来、俺たちは深夜の探検をやめ、心霊スポット巡りは二度としなくなった。あの遊園地の不気味な影は、今でも忘れられない。夜が明けるたび、その影は遠ざかっていくのか、あるいはまだそこに潜んでいるのか、考えるだけで恐ろしい。
人影の正体は、今もって謎のままだ。何を求めていたのか、俺たちには知る由もない。
あの時、車を停めていたら、俺たちの未来はどうなっていたのだろうか。考えるだけで、今でも背筋が凍る思いだ。
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