
中編
6階
ゆき 3日前
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私の家は、結構古いマンションです。
今日は、そのマンションについての話をしたいと思います。
私の家は11階で、見晴らしが良く、良いところです。
ところが、エレベーターなどが壊れてしまうと、11階まで上がらなければいけないので大変です。
その日も私は、階段を一人、ゆっくりと上っていました。
学校帰りだったので、重い鞄を持ち上げながらでした。
そして、6階に差し掛かった時。
ふと、寒い気がしました。夏だったのですが、そこだけ涼しい感じがしました。
その時は、「あぁ、またか…」程度で済ましていました。
私達姉妹の共通の意見で、6階はいつも寒い気がしていたからです。
そして、半ば早足で歩いて階段を上っていこうとした時、私はハンカチを6階に落としてしまいました。
少し嫌でしたが、取りに行ってハンカチを拾った時、上からの視線を感じました。
7階からではなく、6階の家の窓から。
条件反射で上を見上げると、そこには真っ白い顔の男の子。
男の子は顔はこちらに向けず、目だけをこっちに向けていました。
普段から霊的なものを日常的に見る私でしたが、その時はやばい、と感じ、見て見ぬフリをして7階までダッシュで駆け上がりました。
家に帰り、あれは気のせいなのだ、と自分に言い聞かせました。
そして、妹が帰ってきました。
人一倍怖がりの妹にはこのことを言わないでおこう、と思っていましたが、妹の様子がおかしいのです。
「どうしたの?」
「あぁ、姉ちゃん……絆創膏ない?」
妹の膝を見ると、血が流れて靴下が赤く染まっていました。
どうしたのか聞くと、妹の話はこうでした。
妹は、憂鬱な気分で階段を上がっていました。
すると、6階に差し掛かった時、私と同じ、恐怖感に襲われたのだそうです。
急いで7階に上がろうと、駆け足で階段を上っていると、ランドセルからリコーダーが6階に落ちてしまったらしいです。
「うわー、最悪……」
しかし、取らないわけにもいかないので、仕方なく妹は6階に戻ったらしいです。
そして、リコーダーを取るためにしゃがむと、私と同じように、上からの視線を感じた、と言っていました。
妹も上を見上げると、窓に、こちらを向いた男の子が。
妹は泣きそうになりながら11階まで走って上がってきたようです。
そして次の日、私は嫌な気分でまた階段を上っていました。
6階に近づいていくたびに、その嫌な
後日談:
- 今は6階には住人がいますが、その人は大丈夫なんでしょうか?
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- そんな何日もエレベーター故障したままなん?鴉
- 絆創膏の件いるか?環七