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分校で手を振る女の子

俺が生まれた田舎の町には、廃墟になった分校の小学校があった。
昔、生徒数が多かった頃は俺たちの住む地区に住んでいる人は分校に通っていたが、子供の数が減ってくると分校は廃止され、みな本校の小学校に通うようになった。
コンクリートづくりの分校は廃墟のまま残されていて、明かりはなく窓ガラスも割れたのかほとんど残ってないまま放置されていた。
そんな分校に学校帰りに友達と寄ってみた。
あたりは少し薄暗い時間だった。
分校に近づき、しばらく辺りを見ていると
「おい、あれ見ろよ!」
友達に言われて指さす方を見ると、3階の窓から女の子が手を振っていた。
「え?あの女の子、ここに忍びこんだのか?」
「勇気あるなー」
分校の廃墟は薄暗く、ところどころ壁などが壊れているところもあって子供だけで入るとは考えにくい場所だった。
俺たちは、女の子が誰かは分からなかったが出てきたら話を聞いてみようとしばらく待っていた。
だが、いつまで経っても女の子は出てこない。
「まさか、何かあったんじゃないか?」
俺たちは大人に知らせて、警察官を中心に大人が手分けして分校の中を探したがどこにも見つからなかった。
俺たちは大人たちに「悪戯で嘘をついたのでは」と疑われ問い詰めるように聞かれたが、その場にいた俺たち3人とも見たはずだった。
結局女の子は見つからず、またその町周辺で行方不明になった子供はいないことも確認し結局俺たちが見たものは見間違いか何かではないかということになった。
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