
弟のように大切に思っていた友人が、事故物件に住んでいると聞いて驚いた。彼は霊感を全く気にしない性格で、「安いから」と笑っていたが、私は違った。霊感が強い私は、事故物件の前に立つと頭がズキズキと痛むのだ。
ある冬の夜、彼から電話がかかってきた。「どうしても来てほしい」と彼の声は暗く、私は断ることができずに古びたアパートへ向かうことにした。到着すると、寒さのせいか体が震えた。
ピンポーン、ガチャ。ドアを開けると、彼が笑顔で出迎えた。「よく来たな、早速見てくれ」と急かされた。
「何か感じる?」彼の言葉に私は眉をひそめた。「ああ、頭が痛い。今日はすぐに帰るつもりだ。」
「どこから感じる?」彼は興奮気味だった。私は内心不安を感じつつ、奥の部屋を指差した。「たぶん、奥の方だ。」
彼は満足そうに頷き、私はそのまま奥へ進んだ。部屋は薄暗く、ドアが三つ並んでいた。
「どの部屋だと思う?」彼はクイズのように尋ねる。私は一番奥のドアに手をかけた。「ここだろ?」
「開けてくれ。」彼の声がいつになく真剣だった。ドアを開けた瞬間、私の目の前には首を吊った彼の姿があった。驚愕と恐怖が交錯し、何も考えられなかった。
振り返ると、彼はもうそこにいない。彼が自らの死を早く見つけてほしかったのか。霊感が強いのも困りものだ。私は涙を流しながら、すぐに警察に電話をかけた。彼の声が耳に残り、心の中でまだ生きているように感じた。私は彼を見つけることができなかった。彼はもういないのに。夜の静寂が、私の罪を責めるように響いた。
その後、事故物件は立ち入り禁止となった。私の恐怖は消えず、彼の笑顔が夢に出てくる。何か大切なものを失った気がしてならなかった。彼のマンションの話は、私の心に深く刻まれている。
何が真実か、もうわからない。
私はただ、彼がそばにいることを願った。
その瞬間、背後に冷たい風が吹いた。
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