
高校生のとき、友達と遊んで帰る途中、私はふとした拍子に道を外れてしまった。冬の夕暮れ、薄暗くなりかけた森の小道で、周りにはもう誰もいない。携帯電話の電波も途切れ、方向感覚を失い、ただ不安だけが募っていくのを感じていた。
そんな時、目の前に古びたランプを持った老人が現れた。普段なら警戒するところだが、私は必死だった。助けを求めるようにその人に近づき、「帰りたい」と告げた。老人は無言で頷き、私の手を取ると、まるで道を知っているかのように進んでいった。
暗い道を進むにつれて、周りの木々が異様にうねっているように感じた。心の中で不安が募り、もしかしたらこの人は私をどこかに連れて行くのではないかと考え始めた。しかし、彼の手は温かく、何か安心感も与えてくれた。しばらく進むと、ようやく見慣れた場所に辿り着いた。安心した私は「ありがとう」と言おうと振り返った。
その瞬間、老人の顔がはっきりと見えた。凹んだ目、無表情な口元。私は声にならない叫びを上げ、後ろに一歩下がった。老人は何も言わず、ただ森の奥へと消えていった。恐る恐るその場を離れ、友達の待つ場所へと急いだ。心臓がバクバクと鳴り、背筋が冷える。あの老人は何者だったのか、今でも謎のままだ。もしかしたら、私はあの日、誰も通らぬ道に迷い込んでいたのかもしれない。何が本当で、何が幻想だったのか、今でもその時のことを思い出すと、背筋が凍る。冷えた空気の中、あの道の行く先には、何が待っているのだろうか。思い出すたび、不気味な感覚が胸を締め付ける。特に、あの古びたランプが今でも目に焼き付いている。どこにでもあるような光景なのに、あの時の不安感と恐怖は決して消えない。私の記憶の中で、あの道は永遠に迷い続ける場所となっている。何も見えない暗闇の中、私はいつもその道を思い出す。何が起こったのか、誰もが知ることのないまま。私が迷っていたのは、ただの道ではなかったのかもしれない。
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