
それは冬の寒い晩の出来事でした。
大学の友達と飲み会を楽しんだ後、解散したのは夜の11時頃でした。私は古びたアパートに住んでいて、薄暗いロビーを通り抜けてエレベーターに向かう途中、異様に背が高く、痩せた男が一冊の古い日記をじっと読んでいるのに気づきました。彼はアパートの住人かもしれないと思い、挨拶をしようと近づいた瞬間、心の奥で「これは生きた人間ではない」と感じました。それでも、挨拶をするのが怖くて、私はエレベーターに乗り込むことにしました。
ドアが閉まり、エレベーターが動き出したその時、男が日記から顔を上げて私と目が合った。「やばい」と思った瞬間、私は目的の階で急いで降り、自分の部屋に飛び込むように戻りました。
帰ってからは何事もなかったようにお風呂に入り、寝る準備を整えましたが、トイレから出た瞬間、なんと男が私の部屋の前に立っているのです。驚き過ぎて声も出せず、私は「何も見なかったことにしよう」と心に決めて、ベッドに潜り込みました。
怖くて男のいる方を背にし、目を閉じて丸まっていると、ゆっくりと近づいてくる気配が…「やばい、やばい、やばい!」と心の中で焦ると、その気配が突然消えました。気になって男のいる方向を向くと、彼の姿はどこにも見当たりませんでした。ほっとした瞬間、耳元で「遊ぼう」と囁かれました。
その瞬間、消えていた気配が再び私の背後に戻って来たのです。見られていることに気づき、恐怖で身体が動かなくなりました。「遊びたくない!お願いだから出て行って!」と心の中で叫び続けました。
しかし、男は「遊ぼう、ねぇ、遊ぼう」と繰り返し囁きながら、私の背中に爪を立てて、ザーッ、ザーッと引っ掻き始めました。そのたびに体が重く感じ、呼吸が苦しくなり、頭がズキズキしてきました。それでも、心の中で「出て行け!」と叫びました。
男は動く気配がなく、私の体の苦しさは増すばかり。耐えきれずに「本当に出て行かないと、私も許さないから!」と声を張り上げると、男は「じゃあもういいや」と言い残して、気配がすうっと消えました。金縛りにはなっていなかったので、私は部屋を確認しましたが、男の姿は完全に消えていました。
彼がいなくなった後も、体のだるさと頭痛は少し残りましたが、その後は特に何も起こらず、普段通りの生活を送っていました。
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