
ある冬の夜、若い女性が友人と共に高層ビルの一室で過ごしていた。外は冷たい風が吹き荒れ、街の明かりが窓から薄暗く差し込んでいた。彼女たちは古いラジカセをつけ、音楽を聴きながらおしゃべりを楽しんでいた。
やがて、ラジオの音が途切れ、ノイズが混じり始めた。彼女は「電波が悪いのかな?」と言いながら、ラジカセのアンテナを調整してみるが、状況は改善しない。音楽が聞こえなくなると、代わりにちらほらと聞こえる声が彼女たちの耳に入ってきた。
それは女性の声だった。最初ははっきりとしないが、次第に内容が明確になってくる。「彼を裏切られた…」という悲痛な叫び声がエコーのように響く。視聴者からの相談か何かかと思った彼女たちは、次第にその内容に引き込まれていった。
しかし、声は次第に激しさを増していく。「憎い、恨んでいる。全ての男が消えてしまえばいい!」と、怒りの感情が溢れ出し、彼女たちはドキリとした。友人が「これ、何かおかしいよ」と言うと、声はさらに過激になり、「お前を殺しに行く!」という叫び声で締めくくられた。
女性は恐怖でラジカセの電源を切り、コンセントを抜いた。彼女たちは無言で顔を見合わせ、震えながらその場を離れることにした。しばらく静寂が続いたが、彼女は心のどこかでその声が何か特別なものだったのではないかと感じていた。あれは一体、何だったのだろうか。生きている人間の声か、それとも別の何かなのか。恐怖と疑問が彼女の心に残ったまま、冬の夜は深まっていった。
その後、友人は「生霊だったのかもね」と言ったが、彼女はただ黙って窓の外を見つめるしかなかった。霊的なものが存在するのか、あるいは人の怒りが具現化したものなのかはわからなかった。しかし、確かなことは、あの声が彼女たちの記憶に深く刻まれたということだった。
「生霊だったとしても、あの声は本当に怖かったね」と、彼女は呟いた。友人も頷き、二人はその夜の出来事が忘れられないものになることを感じていた。
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