
俺の住む村には古い神社があり、そこには「影守り」という伝説があった。影守りとは、影を見守る存在で、影を踏むことは禁忌とされていた。
この伝説を教えてくれたのは、親友の信だった。彼は小さい頃からこの伝説を家族から聞かされ、影を大切にすることを教えられた。信はいつも影に話しかけているようで、俺には理解できなかった。
信と仲良くなったのは中学に入ってからで、彼はいつも一人でいることが多かった。俺はその様子を見て少し不思議に思っていた。休日も家から出ず、影を踏まないように注意している彼が、時には俺と遊んでくれるのが嬉しかった。
ある秋の夕暮れ、神社の近くで遊んでいた時、俺は思わず言った。「信、影踏みしようぜ!」すると、彼の顔が青ざめ、まるで死神にでも怯えたようだった。
「やめろよ!」と彼が叫んだ時、俺はその恐怖を面白がってしまった。信の反応に興奮し、彼を無理やり影の上に追い込んだ。
その瞬間、影が揺れ動き、まるで生きているかのように俺を襲ってきた。信は泣きじゃくりながら「やめて、やめて」と訴えたが、俺はその光景に恐怖を感じる暇もなくなっていた。
影は信の体を飲み込み、彼の姿が消えてしまった。俺はその場から逃げ出し、家に戻った。翌日、信が学校に来なかったので心配になり、神社に向かうことにした。そこで、信の影を見た。
その影は地面に這っていて、彼の姿は見えなかった。恐る恐る近づくと、影が俺を呼び寄せるように伸びてきた。俺は恐怖に駆られ、逃げ出した。信の家に行くと、彼の母親が泣きながら「影に呪われた」と呟いていた。
その後、俺は村の人々に影を踏むことがどれほど恐ろしいことかを聞かされ、影を踏むことができなくなった。影を踏むことは、影守りの呪いを招く行為だったのだ。今でも、自分の影を見るたびに、信のことを思い出し、影が俺を狙っているのではないかと恐怖する。影に飲み込まれた信は、今頃どうなっているのだろうか。
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