
仕事を終えて、白い雪が舞う街を歩くと、古びたアパートの郵便受けに一通の手紙が差し込まれているのを見つけた。数日前に自殺したという、友人の香織からのものだった。
『前略、紗英へ。私の大切な友人、紗英にこの手紙を残します。こんなものを送ってごめんなさい。でもあなたにだけは伝えたかったのです。よく読んでください、これが最後の言葉だから。
☆☆☆
紗英は独身だけど、どんな人と結婚し、幸せになるのかな?大学時代の思い出、楽しかったなぁ、本当に楽しかった!でも、病気が私を苦しめるの。ごめんなさい、私がこんなことを考えたなんて!
ところで、早く楽になる方法は?やっぱり、飛び降り自殺なのかな?
結婚してやめたけど、最後にもう一度、ピアノを弾きたかったな。あの時、私たち三人で映画を見に行ったの、覚えてる?風に吹かれて、何度も笑ったね。
なんで私がこんな気持ちになるかわかる?病気が苦しくて仕方ないからよ。人生、ほどほどがいいの。両親も亡くなって、でもあなたや友達には長生きしてほしい。
私が死ぬのに、あなたたちに長生きしろなんて言えないけど、心から感謝してるの。
あなたは優しくて美しくて、どこを見ても素敵だったよ。あの時、彼氏からもらった高価な指輪が、とても似合っていたね!
☆☆☆
変な文章になっちゃった、ごめんね。病気で頭もおかしくなってるかも。また会って話がしたかったな。今までありがとう、幸子にもよろしくね! 香織より』
この手紙には不気味な違和感が満ちていた。私たちはそんなに親しいわけではなかったし、幸子なんて存在すら知らない。大学時代、私は推理小説のサークルに所属していて、暗号文を作るのが好きだった。香織にも試しに送ったことがあったが、彼女は結婚した相手が怪しいと噂されていた。
手紙を再度読み返すうちに、彼女の言いたいことが見えてきた。夫の目を盗んで、一生懸命に書かれたのだろう。私は直感的に何かを感じ、すぐに警察に足を運んだ。彼女の命が、私の手の中で消えかけている。警察に証拠を示し、彼女を救うための行動を起こさなければならない。何かが、私を急かしていた。
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