
秋の午後、友人から聞いた話が気になり、私は老舗の書店兼カフェに足を運んだ。そのカフェは、地域の人々に愛されているが、最近何かと噂が絶えない場所だった。
数日前、店主とその妻が失踪したというニュースが流れた。その後、彼らと同じ年齢の男女の遺体が発見されたと聞いた。二人は書店の奥にある小さな部屋で見つかり、死因は不明だという。遺体は奇妙にも、首を折った状態で横たわっていたらしい。
カフェの一角にあるテーブルに座ると、若いアルバイトの子が私に声をかけてきた。「最近、店主の奥さんの古い日記が見つかったんです。中に何が書かれていたのか気になりますか?」
その日記には、彼女の精神的な葛藤や、店主との関係についての記述があった。いくつかのページには、彼女が恐れていた「何か」が迫っていると書かれていた。私の心には不安が広がる。
数日後、私は再びカフェに訪れた。そこで目にしたのは、日記の続きだった。アルバイトの子が持っていた日記は、実は別の人のもので、店主とその妻のものではなかった。
カフェの奥から、誰かの声が聞こえた。振り返ると、見知らぬ男女が立っていた。彼らは私に近づき、冷たい視線を向けてきた。その瞬間、私は息を呑んだ。彼らは、失踪した夫婦にそっくりだったのだ。私は直感的に、彼らが何者なのか理解した。
そして、私はその場から逃げ出した。店主とその妻の行方は未だにわからず、彼らが本当に生きているのか、あるいはこのカフェのどこかに身を潜めているのか、思いを巡らせる。私の中に残る恐怖は、真実を知ることがいかに危険であるかを教えてくれた。
【了】
このカフェに潜む謎は、私の心に永遠に残ることだろう。何が真実で、何が虚構なのか、明確な答えは見つからないままである。私たちが知るべきではないことが、そこには眠っているのかもしれない。彼らの存在は、今も私の背後にいる気がしてならない。人々の記憶の中で、彼らは消えることなく生き続けている。
後日談:
後日談はまだありません。
この怖い話はどうでしたか?
chat_bubble コメント(0件)
コメントはまだありません。



