
僕は某高層ビルの11階に住む若いサラリーマンだ。仕事での付き合いは多いが、プライベートでは特に親しい友人はなく、日々を淡々と過ごしていた。そんなある日、ビルのロビーで一人の女性と目が合った。彼女はいつもロビーで見かける人で、どこか影のある美しさがあった。毎朝、彼女は同じ時間に通勤のために出て行くが、言葉を交わしたことは一度もなかった。
彼女の印象は年々変わり、最近は特に元気そうに見えた。何か良いことがあったのかもしれない。数日後、仕事が忙しくなり、帰宅が遅くなった。深夜、エレベーターに乗り込むと、何と彼女が乗ってきた。手には大きなダンボールを抱えている。僕は驚いたが、一体何を運んでいるのか尋ねる気にはなれなかった。
「2階に行きますか?」と聞くと、彼女は微笑んで無言のまま頷いた。降りる場所を間違えたのだろうか。そんなことを考えつつ、11階のボタンを押す。彼女の持つダンボールは大きく、重そうに見えたが、彼女は一切その様子を見せない。
エレベーターが11階に着くと、彼女はさっさと降りていった。ドアが閉まる瞬間、彼女の後ろ姿が何故か不気味に感じた。翌日、ビルの清掃業者によって、ビルの地下倉庫から人の手足が発見されたとニュースが流れた。知らせを聞いた瞬間、僕は彼女がそのダンボールの中に何を隠していたのか、全てを思い出した。
彼女の持っていたダンボールは、果たして何を運んでいたのだろうか?その答えは、もう戻ってこない。彼女は今、どこにいるのだろうか?彼女の暗い美しさは、今もこのビルのどこかに潜んでいるのかもしれない。恐怖が心の奥底にじわじわと広がる夜が続く。運ばれていたのは、もしかしたら彼女自身の秘密だったのかもしれない。僕は、彼女の過去を知ることはできないまま、ただ恐怖に怯えることしかできないのだ。どこかで彼女が微笑んでいるような気がして、寒気がした。彼女の目には、何が映っていたのだろう?
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