
薄暗い部屋の中、少女は目を閉じたまま、意識を取り戻そうとしていた。外は冷たい風が吹き荒れ、窓の隙間からその音が微かに聞こえる。何かが彼女の名前を呼んでいるような、そんな気がした。
「もうすぐ朝かな…」
そう思いながらも、重たいまぶたを何とか開こうとするが、体が動かない。今日は学校がある日だというのに、どうしても起き上がれない。
いつもなら母親が起こしに来る時間だが、今日は静かすぎる。
その時、かすかに階段を上がる音が聞こえた。
「お母さん?」
少女は心の中で叫んだ。
ギシギシと音を立てながら、誰かがドアを開けた。
「お母さん、まだ眠いから…」
少女は無意識のうちに言葉を漏らした。
すると、静寂の中に再び音が響いた。
ギシ、ギシ、ギシ…
二段ベッドが微かに揺れる。その音はまるで、誰かが上の段にいるかのようだった。
「お兄ちゃん、起きてる?」
しかし、下の段にいるのは誰もいない。
その瞬間、足音が突然止まった。
「お母さん?」
少女は恐る恐る声をかけた。すると、再びドアが開く音がした。
「ふん…ふん…」
不気味な呼吸音が近づいてくる。
何かが彼女の頬に触れた。
「お母さん、臭い…」
彼女は思わず顔を背けた。
その瞬間、何かが舌で彼女の頬をなめた。まるで獣のように。
「やめて!」
少女は悲鳴を上げ、必死に毛布を引き寄せた。
ドスン。
重さが消えた。
彼女が恐る恐る目を開けると、部屋は静まり返っていた。
時計を見ると、まだ午前3時。
「お兄ちゃんは…どこ?」
少女は問いかけたが、返事はない。
その日以降、彼女の兄は姿を消した。両親は彼女に言った。「おまえだけがここにいるんだ。」
でも、少女は心の中で疑問を抱えていた。
「じゃあ、どうしてこの部屋には二段ベッドがあるの?」
後日談:
後日談はまだありません。
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