
長編
20歳の冬
ゆき 3日前
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頃にニュースにもなったらしく信憑性は中々高い。
無事帰ってこれたら廃じゃない方に行こうね!っていうジョークを3回くらい飛ばしたと思う。
敷地内に車を止めて、ライトで全体を照らしてみる。
倒れた看板、つたに巻かれた建物、窓ガラスは殆ど割れている。国道から外れ、裏が件の山なので明かりもなく暗い。
心霊スポットらしく良い雰囲気。
ルートは正面玄関から入り最上階の5階まで上がる。号室は分からないが事件があったのは4階だという噂なので4階で部屋を回ってみる。
割れたガラスに気をつけながら中に侵入
左手にフロント、右手に階段
正面の部屋選択用のパネルも割れている。
なかは湿気が多くカビ臭い。
所々苔が生えている。
有名スポットらしく落書きも多い。
車を停めるまではしゃいでいた女子達も顔が強張りダンマリ。
ピアス君がふざけて脅かす茶番を挟みつつ4階へ到着。
部屋の中も同じく汚い。
どの部屋も同じような造りで代わり映えしないが、1部屋だけベッドの上に造花の花が添えてある。
新しくはないが古くもないので、恐らく同じ噂を聞いた先客が怖がらせようと思い置いたのだろう。
この辺りで女子達の恐怖がピークに達し、気分が悪いと言い出したので5階は諦めて引き返すことに。
ピアス君と女子達を前に歩かせ俺が1番後ろを歩いて戻る。
ここが営業していた当時は自動精算なんかないから、エアシューターだったのか直フロントだったのかな、等々どうでも良いことを考えながら階段を下る。
3階と2階の間で前を歩いている美人Bが
「きゃっ」と短い悲鳴を上げた。
不意打ちを食らった俺も
「おふぁ」みたいな変な声が出た。
瞬間前を歩いてたピアス君と女子2人がビビって悲鳴を上げダッシュし始めた。
ライトで美人Bを照らす。
なんのことはない転んだだけ。
手を貸し立たせようと思ったが、足が痛いよりも腰が抜けて立てないとシクシク泣いている。
仕方ないので背負って階段を降りる。背中で震える美人の方に首を少し傾けながら、
ヒールが良くなかったね、と美人Bに話しかける。
「ゴメンね」とより一層シクシク泣き出した。
マズいと思い、
「吊り橋効果で好きになりそうやん!お尻触っていい?」とジョークを飛ばすも、
またも「ゴメンね」
この質問にゴメンねてなんやねん。
玄関を出ると、車の近くでライトがチラチラ動いている。
車に乗ることもできず薄情者3人がオタオタしていた。
そりゃー鍵持
後日談:
- 友達は大切に!!
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- リオさん 純粋に心霊で怖いだけの話しだと、他の人達ほど怖い思いしてないからですねー笑 何かエッセンスをと思って、ありのままを書いてます27歳ブサイク
- 内容も怖いですが、女の子との描写が面白いです笑 経験豊富なんだろうなと笑う これからも楽しみにしてます!リオ