
私たちが体験した話は、冬のある寒い夜にさかのぼる。大学のサークルメンバー、私、A子、B男は、郊外の山小屋でキャンプすることになった。元々は楽しい冬のレクリエーションのつもりだったが、B男が言い出したことが全ての始まりだった。「この山には、昔失踪した人の霊がいるって噂を聞いたことがある」と。
A子は興味を持ち、「それなら、霊が本当にいるか確かめに行こうよ」と提案した。しかし、私はおどけて「お化けなんていないよ」と否定した。初めは乗り気でなかった私だったが、B男の真剣な表情に引き込まれ、結局私たちは夜の山を探索することに決めた。
山小屋から少し歩くと、あたりは静まり返り、時折風の音だけが響く。B男は不安そうに顔をしかめ、「なんか、ここにいると変な感じがする」と呟いた。私たちは盛り上がりながらも、彼の言葉に少し引きつけられた。少し進むと、B男が急に立ち止まり、真上を見上げた。私たちが尋ねると「誰かに見られている気がする」と言った。私たちは笑い飛ばしたが、B男の様子は明らかにおかしかった。
そんな矢先、山の奥の方から「ドスン」と重たいものが落ちる音が響いた。私たちは顔を見合わせ、緊張が走る。B男は「行こう、戻ろう」と言い出し、急に山小屋に向かって走り出した。私たちは驚いて後を追った。
山小屋に戻ると、B男は息を切らしながら、「あの音の後、何かが降ってきた。女の人だ」と話し始めた。彼はしきりに「許して、もう忘れます」と呟いていた。私たちは彼を落ち着かせるために、近くの温泉に向かうことにした。
その道中、B男は続けて言った。「その女の人が私の前を通り過ぎる時、『おぼえたからね』と言ったんだ。」私たちはその言葉に凍りついた。どうやら、B男が見た女性は、数年前にこの山で失踪したという噂のある人に似ていたらしい。それ以来、私たちは山には近づいていない。あの音の正体も、B男が見た女性のことも、今でも解明されていない。
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