
「地下倉庫に、何かがいる気がするの…」
それは真冬の寒い夜だった。
食事の後、明るいリビングのソファに座る梨花は、心配そうな表情で目の前にいる俺に囁いた。
「梨花は考えすぎだよ。そんな訳ないじゃん」
俺は笑いながら言った。
すると彼女は少し焦った様子で言葉を続けた。
「だって今夜も、倉庫の中で変な音がして…思わず『誰かいるの?』って叫んだら、急に静かになったのよ」
「それはただの気のせいだよ。」
「違うの!空耳なんかじゃないわ。何度もあったの。だから、あの倉庫には近づかないことにしてるの。」
俺は腕を組んでしばらく考え、こう言った。
「このマンションに誰かが住んでるわけないし、どうしたいの?一緒にその影を確認しろって言うの?」
梨花は困った表情でうつむいた。
しばらくの沈黙の後、俺が口を開いた。
「その奇妙な現象は、夜だけなのか?」
梨花は小さく頷く。
「つまり、何かが夜は静かにしているってことか。」
「わからない。ただ、夜に物音を聞いたことはないわ。」
「もしかしたら、今は倉庫の奥で寝てるのかも。」
そう言った瞬間、俺は立ち上がり、リビングの奥にある地下倉庫へ向かった。梨花は不安そうに「気をつけて」と言い、俺を見送った。
倉庫の扉を開けると、薄暗い空間の中で埃が舞っている。俺は音を立てずに奥へ進み、物置の前に立つ。振り返って梨花の顔を見て微笑むと、深呼吸してから扉を勢いよく開けた。
すると、奥には古い段ボールが積まれていて、何も見えなかった。だが、奥の闇からはかすかに何かが動く音が聞こえた。恐る恐る覗き込むと、突然、何かが飛び出してきた。
「うわっ!」
驚いて後退る。
「大丈夫!?」
梨花が心配そうに叫ぶ。俺は目を凝らし、飛び出したものを探して、すぐに見つけた。
それは、30センチほどの背丈のある不気味な人形だった。白くてガリガリに痩せたその人形は、怯えた表情で俺と梨花を交互に見つめ、再び廊下へと逃げ去った。
その人形の目が、今でも忘れられない。
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